なぜ日射量は増加傾向にあるのか?(2017年11月9日発表)

以前このブログで近年日射量が増加し発電量が上昇しているということを書きました。
確かに気象庁のデータだと日射量データは増加傾向にあります。

記事はこちらです。 

この記事を書いているときは日射量は近年増加しているということと、
ブレ幅が小さい、最大最小10%程度で、年によって半分になったり倍になったりしない
ということをお伝えしたくてそのような内容になっていました。

日射量を年代別に見てみると下表のようになります。

近年日射量が増加しているのは間違いありませんが
ではなぜ日射量は増加しているのでしょうか?

なぜ日射量が増加しているのかということを調べているうちに
SPM[suspended particulate matter]=浮遊粒子状物質が
影響しているらしいということが分かってきました。

ではSPMとは何なのでしょうか?

・粒径10マイクロメートル以下の大気中に浮遊する粒子状物質で、
 大気汚染の原因となる。
 なかでも直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子はPM2.5と呼ばれる。
 (出典 デジタル大辞泉)

・一般的には大気中に浮遊する微粒子状の粉塵をいう。
 自動車関係ではディーゼル車の排気中の黒煙、タール状物質、硫酸ミストなどの粒子状物質、
 タイヤやブレーキライニングおよびクラッチフェーシングなどの摩耗による粉塵、
 日本では、ガソリンの無鉛化、スパイクタイヤの製造・使用の禁止、
 ディーゼル車の黒煙や粒子状物質排出規制導入などにより、
 大気中の浮遊粒子状物質は減少傾向にあるが、環境基準の達成度が不十分であり、
 とくにディーゼル車についてはさらなる粒子状物質排出量の削減が予定されている。
 (出典 大車林)

となっています。

ここで注目しなければならないのが、
空気中に浮遊するということです。
細かい粒子状物質で質量が低いため、地面に落ちることなく空気中に浮遊します。
そのため太陽の光を遮る=日射量の低下を起こすのです。

近年日射量が増加している原因はSPM濃度が下がったためだったのです。
ではなぜSPM濃度は下がったのでしょうか?

答えは大気汚染対策が進んだからです。
上記SPM解説にあるように自動車の排気や工場からの排煙に対して
厳しい規制が進んだため、大気中のSPM濃度が下がったのです。

その結果太陽からの日射を遮るものが少なくなり、
日射量が増加したということのようです。

近年中国では深刻な大気汚染が問題化しています。
今後中国でも大気汚染対策が進めば日射量が増加するに違いありません。

逆に先進国のようにある程度対策が進んでしまったところは
これ以上に日射量の増加はないかもしれません。

ただ株式会社ゼックでは過去20年の日射量データをもとにした
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のデータから
想定発電量を計算しています。
これは1990年~2009年のデータですので、大気汚染対策が進む前の数値が含まれています。。

ですのでNEDOデータで発電量を想定している限り、
実発電量はその想定を上回る可能性が高くなります。

株式会社ゼックの太陽光分譲ファンドによる発電所の発電量が
すべて想定を上回っているのはこのあたりに原因があるようです。

 

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