再生可能エネルギーは普及するのか?(2016年9月7日発表)

現在日本のエネルギー自給率は約6%といわれています。
東日本大震災で過酷な原発事故を経験し、
原子力発電所の再稼働が難しい中、
エネルギー安全保障上、温暖化ガス排出抑制という面からみても
エネルギーの国産化とカーボンフリーなエネルギーを増やすことが
必要であることは明白です。

一つの解決策として再生可能エネルギーが挙げられています。

そこで再エネを加速的に増やすために導入されたのが
FIT=再生可能エネルギー固定価格買取制度
通称、再エネ全量買取法です。

資源エネルギー庁は2030年の電源構成(エネルギーミックス)の中で、
再生可能エネルギーを22~24%としています。Microsoft PowerPoint - yŽQlŽ‘—¿‚Rz150908ŽQlŽ‘—¿W‚’4.pptx
そうなると再生可能エネルギーで約2500億kWhの電力を生み出さなければなりません。
そのうち太陽光発電で生み出さなければならないものが約750億kWhです。

年間750億kWhを生み出す太陽光発電所とはどれくらいの出力が必要なのでしょうか?
発電設備容量として6400万kWとなります。
メガソーラーといわれる発電所が1000kWですのですので、
実にメガソーラー64,000個が必要ということになります。Microsoft PowerPoint - yŽQlŽ‘—¿‚Rz150908ŽQlŽ‘—¿W‚’4.pptx
では現在どれくらい導入が進んでいるのでしょうか?

2015年5月末時点での太陽光発電導入量は約2000万kWです。
2030年で必要な量が6400万kWですから1/3にも満たない状況です。
ではあと14年で3倍以上に膨らむのでしょうか?

結論から言うとかなり難しいのではと思います。Microsoft PowerPoint - yŽQlŽ‘—¿‚Rz150908ŽQlŽ‘—¿W‚’4.pptx
注目したいのは右側の認定容量です。
買取制度が始まり設備認定を受けた物の中で
運転開始したものは約24%しかありません。

これはどういうことかというと、
買取制度が始まり、高い買取価格が設定されましたので、
とりあえず認定を取ったものが多くありました。

例えば設置不可能な傾斜地や、
ひどい例では土地使用に関して地権者の同意を得ていないものもあります。

土地が確保できていたとしても、銀行から融資がつかず建設できないもの、
系統連携する負担金が莫大で事業化できないものなど
実際に発電を開始できないであろうというものも多く含まれているのです。

先ほどの話に戻りますが、
2030年で必要な出力は約6400万kWですから
現在認定されているものの80%弱が稼働すればよいということになりますが
実際は難しいのではないかと思います。

条件がよく、実際に事業化しやすいものが稼働を開始しています。
それでやっと24%です。
残っているの物の中には事業化しにくいものが多く含まれています。

経済産業省は太陽光が増えすぎた、
国民負担となる再エネ賦課金が大きくなりすぎたという世論を受け
買取価格をどんどん下げてきました。

その結果何が起きたかというと
新規に設備認定を取得する案件が激減しました。

このまま推移すると2030年度に6400万kWは達成できないでしょう?

では今後どうするべきなのでしょうか?

原点に立ち戻って考えると・・・・
再生可能エネルギーを増やさなければならない理由は

・エネルギー自給率のアップと将来にわたる長期間の安定供給
・エネルギーの地産地消 
  大規模発電~長距離送電から小規模発電~地域消費への転換
・温暖化ガス削減

これらを考えると一番理想的なのは小水力発電ではないでしょうか?
小水力発電の特徴、利点、欠点を見てみると、

・明治から利用されている発電方法で技術が確立している。
・稼働率が高く、安定供給が可能である。→安定電源
・将来的に地域独立電源のベースとなりえる。
・長期間(100年程度)稼働することが出来る。
  その後も補修をすれば稼働延長が可能。
・環境に架ける負担が少ない。
・地域住民が参加して開発することも可能。

・水利権や漁業権などクリアしなければならないハードルが高い。
・流況調査など長期間の調査が必要で開発期間が長い。
・土木費など建設コストが高くなる場合がある。

こうやって見ると、地域住民が参加をして、地域電源として開発することに
とても適していることが分かります。

日本には小水力発電のポテンシャルがまだまだあるといわれていますが、
上記のハードル(障害)があることで開発が進んでいない事も事実です。

小水力発電を普及させる施策として望むのは、
高い買取価格で大企業やゼネコンを釣るのではなく、
開発しやすい環境を整え、地域の企業や地元住民が発電所開発に参加できる
そんな手助けになるような施策を打ち出してくれればと思います。

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