原発再稼働について考える(2015年4月22日発表)

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私たち株式会社ゼックは原発に依存しないエネルギーミックスの実現を目指しています。
しかしながら、過渡期、ある時点で原発は再稼働されるであろうとも考えています。

原発再稼働に関しては、先日も朝日新聞の世論調査で「反対」59%、「賛成」28%となっています。
これは昨年から発表されている数字と大差ありません。
注目したのは同時に行われたもう一つの質問、
原発を段階的に減らし、将来は原発をやめる「脱原発」については「賛成」が77%で
「反対」の14%を大きく引き離しました。

民意は「今すぐにとは言わないが、原発はやめるべきだ。」 です。

そこで、現時点で入手できている情報をもとに考えると、
数少ないエネルギー供給の選択肢を安易に放棄すべきではなく、
原発の再稼働を行う、という結論にならざるを得ません。

温暖化ガス削減、経済的問題、エネルギー安全保障をひっくるめた
エネルギーミックスを現実的に考えた場合、
2030年時点で原発の割合は10%~15%となると考えられます。

これは先進国で合意している温暖化ガス削減目標の達成、
化石燃料の輸入減による貿易赤字削減、
電気料金上昇抑制による経済成長などを考え、
原発40年廃炉と合わせるとそのような数字になります。

では今すぐ再稼働すべきなのか? 再稼働してよいのか?
それはまったくもってNOだと思います。

2015年4月10日に行われた再生可能エネルギーや原発など、

電源種類別の発電比率を検討する有識者会合では、
自民党と経産省が原発で二割程度を賄うことを念頭に水面下で比率案を調整していることに対し、
出席者からは「福島(の原発)の事故がなかったかのような議論だ」などの異論が相次いだそうです。

以下 TOKYO Web 東京新聞より抜粋

「原発比率2割」異論続々 有識者「事故なかったような議論だ」 
2015年4月11日 朝刊

 経済産業省は十日、二〇三〇年に目指す再生可能エネルギーや原発など、
 電源種類別の発電比率を検討する有識者会合を開いた。
 自民党と経産省が原発で二割程度を賄うことを念頭に水面下で
比率案を調整していることに対し、出席者からは「福島(の原発)の
 事故がなかったかのような議論だ」などの異論が相次いだ。
 自民党の額賀福志郎元財務相は経産省と足並みをそろえて
 原発、石炭火力、水力、地熱の「ベースロード(基幹)電源」を、
 現在の四割から震災前の六割程度に戻す提言を七日に安倍晋三首相に渡した。

 これは原発で二割程度を積み増すことが念頭にある。
 太陽光など再生可能エネルギーは、20%台半ばに抑える方向だ。
 十日の会合では、この提言に対し、東京理科大の橘川武郎(きっかわたけお)
 教授が、あらためて「将来に向けて大きく考え方を変え、再生エネを30%まで
 高めて原発は15%に抑えるべきだ」と主張した。

 また名古屋大大学院の高村ゆかり教授は、欧米では再生エネの増加とともに
 基幹電源の比率が減少している傾向を解説。
 「原発など特定の電源を基幹電源と位置付ける考え方自体がなくなりつつある」
 と話し、基幹電源の名の下に原発を重視する自民党と経産省をけん制した。
 その上で「ドイツでは安い再生エネが増えて電力の価格が下がっている」
 とも指摘した。

 環境省は三〇年に再生エネの比率を最大35%まで高められると試算したが、
 自民党と経産省は実現性に否定的だ。
 これについて全国消費者団体連絡会の河野康子事務局長は環境省の出席者に
 「(試算の)根拠を示してほしい」と要望。
 経産省に対して電源種類別の発電比率を検討する際の検討材料から
 環境省の試算を安易に外さないよう、くぎを刺した。
 次回の会合で経産省は基幹電源についての考え方を整理し、
 環境省は試算の詳しい根拠を示す。

そして2015年4月14日、福井地方裁判所は関西電力に再稼働を認めない仮処分の決定を出しました。

これで原発が再稼働されないわけではないのですが、
民意が脱原発なのに、再稼働してもよいのかもう一度しっかり考えようという機会になったと思います。

以下朝日新聞デジタルより抜粋

内田樹さん「国富受け継ぐ市民たれ」原発運転禁止決定に
2015年4月16日07時21分

司法が直ちに原発の運転を禁じる決定を出した。これをどう受け止めればいいのか。
現代思想家の内田樹(たつる)さんに聞いた。

■「頭を冷やせ」という判断

 今回の差し止め決定は、民主主義の根幹である三権分立が機能し、
 司法の健全性を証明したといえる。
 わが国の統治機構がシステムの内側から欠陥を補正できる
 「復元力」を持っている可能性を示した。
 原発など国策にかかわる係争について戦後、司法は一貫して及び腰だった。
 福島の原発事故の経験から、一歩踏み込んだ決定をする裁判長が現れたのは
 必然だろう。
 この決定は国の意向を忖度(そんたく)した上級審の裁判官に
 覆される可能性を否定できないが、
 いまだ司法の独立を守ろうとする裁判官がいることを心強く思う。

 政府と東電は、原発事故がどうして起きたのか、どの程度の被害なのか、
 復旧と補償のためにどういう効果的な手立てを講じるつもりなのか、
 国民が納得できるような説明をしていない。
 その段階で経済的な理由で再稼働が持ち上がった。
 「ちょっと待て。少し頭を冷やせ」と告げるのは、ごく常識的な判断だ。

 事故直後、国民の大半が思ったはずだ。経済成長優先の政策はもういい。
 それより日本の山河と国民の命を大事にすべきだと。
 しかし、経済の論理を優先させた政府は再稼働に舵(かじ)を切った。
 失敗から何も学ぼうとしない、復元力のなさに私は絶望を感じていた。

■「国民生活の安定こそ国富」に共感

 今回の決定を下した裁判長は昨年5月の大飯原発の運転差し止め判決で、
 「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富である」
 との認識を示した。
 国富とは金のことではなく、国土の保全と国民生活の安定のことであるという
 裁判長の見識に私は同意する。
 特定の政治イデオロギーによって管理されてはならず、
 投機の対象になることも許されない。
 私たちは国富を傷つけることなく、未来世代に手渡す義務がある。
 目先の銭金のために、未来世代と共有すべき国富を損なうことは、
 国民として決して許されない。

 にもかかわらず、原発の立地自治体を含む社会全体を、
 「生活維持のためには原発は仕方ない」という諦観(ていかん)が覆っている。
 今回の仮処分決定で直ちに楽観的になることはできないが、これを基礎として、
 れんがを一つひとつ積むようにシステムを補正していくしかない。

 「私人」は目の前の損得を考えるが、「市民」は歴史の流れの中に
 自らを位置付け、未来への責任を考える。
 これから生まれてくる世代に何を残すのか。
 それについて熟慮する機会を与えてくれたのだとしたら、
 決定の意義は色あせることはないだろう。

福井地方裁判所の再稼働を認めない仮処分は根拠となる部分に事実誤認があるという記事がありました。
さまざまな人々の、様々な意見があると思います。

原発再稼働という問題は単に原発を再び動かすかどうかの問題ではなく、
将来にわたるエネルギービジョンにかかわる問題です。
単に経済的側面からだけではなく、広く国民の間で議論されるべきではないでしょうか?

それには政府の情報開示、メディアによる公正で正確な報道、
議論を深めようという国民の姿勢と時間が必要だと感じました。

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