太陽光発電所ができるまで(2016年12月21日)

株式会社ゼックでは確実に発電が開始できる事が決定した発電所の建設費用を
太陽光分譲ファンドという名前で市民ファンド(匿名組合出資)化し募集します。

ですのでこれまで募集の完了した1号~8号は既に発電を開始しており、
現在建設中の9号も予定した来年3月より少し早い2月の発電開始を見込んでいます。
(東北電力様とも調整が完了しております。)

今回は発電開始になるまでどの様な調査や手続きを行っているのかを
ご説明させていただきたいと思います。


まずはじめに地権者の方から
「利用していない土地があるのだが太陽光発電所として活用できないでしょうか?」
といった連絡をいただきます。

そこから太陽光発電所に適した土地であるかの調査が始まります。

まずは場所を特定しグーグルマップで衛星写真やストリートビューを見ます。161221a
これは城里7号の衛星写真ですが、とりあえず候補地が平坦であるように見えます。
ただこれだけでは周囲の状況や候補地の高低差がどうなっているかは分かりません。

次に土地の広さや権利関係などを登記簿謄本と公図で確認します。

そこから現地検分となります。161221d161221c

行ってみると候補地は小高い丘の上にあり、日照は良いのですが、
敷地内にかなり高低差があり、一部分草が生い茂っていることも分かりました。

ある程度発電所として利用可能と判断したらハザードマップの確認を行います。
地盤の揺れやすさや、洪水の履歴、がけ崩れの危険性が無いかを調べます。

ちなみにしもつけ6号発電所のすぐ横には田川という川が流れています。
候補地として検討しているときに水害に関して調査しました。
その結果、河川が大幅に改修され、それ以降氾濫~洪水は起こっていない事、
大雨が降ると上流の宇都宮市内で氾濫することが分かりました。

実際昨年の関東・東北豪雨の際、上流の宇都宮市内で小規模な氾濫がありましたが、
発電所付近では氾濫~洪水は発生しませんでした。

次に発電所の基礎設計を行います。
発電所の基礎設計は、その場所でどれくらいの規模の発電所が出来るかを
パネルを並べてみて判断をします。
この段階で大きなコストはかけられないので、
現地測量は行わず、公図や地籍測量図などを使ってレイアウトを行います。7%e5%8f%b7%e5%88%9d%e6%9c%9f%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%82%a2%e3%82%a6%e3%83%88
この仕事をしだしてから知ったのですが、
法務局でもらってくる公図はかなりいい加減で、
土地の形から違っている物もあります。
そこで自治体に行き、測量図等が無いかを問合せ
あればいただいてきます。

そのレイアウトから割り出した発電出力を使って発電量のシミュレーションを行います。
国の機関であるNEDOは日本全国837地点の20年にわたる日射量データをもっています。
それを解析し、発電所出力に当てはめてどれくらいの発電量になるかを計算するのです。

ここまでできた時点で電力会社に事前相談を行います。
これは無料で行えるもので、連系したい電柱番号と出力を伝えると
その場所でどれくらいの容量まで連系できるかの回答がもらえます。

事前相談で連系可能との回答が来た時点から準備が本格化します。

まずは地権者様との交渉、20年にわたる発電事業に対して
土地をお貸しいただけるか交渉を行います。

それから経済産業省に対する設備認定を申請します。
同時に電力会社に対する接続検討を申込ます。

3ヶ月ほどで連系負担金の概算と工期概算の連絡がきます。

連系負担金とは、発電所から電力会社の配電線に接続る部分を
事業者負担で設置するとなっているためかかる費用です。

この金額は非常にさまざまで、例えば出力500kWの発電所で
数十万円~数億円まであります。

発電所の近くまで電線が来ていて、少し延長するだけで良い場合、
数十万円で済みますし、かなり遠いところまで電線を引かなければならない場合や、
配電線が細い場合で太いものに交換するなどといった場合
かなりの高額になる場合もあります。

ここで事業化可能な程度の負担金が示された場合、
事業化することを決断し、電力会社に電力受給契約申請書と
発電事業を行いますという意思表明を提出します。

だいたいここまで来るのに6ヶ月くらいはかかります。

電力会社は発電を開始する意思があるという事が確認できたら、
実際の配電設備設計に入ります。

太陽光発電所が発電を開始すると、今までは電気を送り一方だった配電線に
電力が逆流してくることになります。
そうなってもまわりの需要家、一般家庭や商店、工場など電気を使用するところに、
今まで同じ一定の電圧で必要な電力が供給できるよう、
電線の太さやトランスを調整したりするのです。

この設計にも概ね3ヶ月程度必要なのですが、
一番難航するのが用地交渉です。

発電所のすぐ横まで電力会社の電柱、電線が来ていれば問題ないのですが、
発電所候補地は人家のない山林等ですので、配電線が来ていない場合が多々あります。
そうなると一番近い電柱から発電所に向けて電柱を立て、
電線を新設することになります。

電力会社では、電柱は基本的に道路ではなく、民有地に建てることいなっているらしく、
近隣所有者の方に電柱を立てさせてくださいというお願いを電力会社からするのです。

建設するのは高圧電柱で高さが12メートルから15メートルのものです。
それだけのものをいきなり自宅の庭先に立てさせてくださいといわれるので、
断られる場合もあるようです。
そうなると今度は別のルートからつなぐことを検討しなければなりません。
そんなこんなで用地交渉が確定し、負担金の請求が来るまで早くて3ヶ月、
長ければ1年以上かるものもあります。

そうやって確定した連系負担金の払い込みが終わった時点で
初めて電力会社は連系に向けての工期調整(工事発注)に入ります。

今のところ工期は早くても6ヶ月、長いと1年から1年半以上かかるものもあります。
ここから電力会社と協議・交渉を重ね、実際の発電開始の目途をつけます。

そこでやっと募集開始となります。

・パンフレットや契約書、重要事項説明書の作成~印刷
・報道機関送付用のプレスリリースの作成
・県庁などでの記者会見の準備
・説明会の会場手配と資料作成
  等を急ピッチで進めます。161221e

募集開始と同時に作成した資料の送付を行い、
資料御請求いただいた方にお届けします。

お申込者様と契約を進め、募集完了した時点で工事を発注します。
もちろん工事業者様とは発注前から事前の打ち合わせをしっかりと行っておき、
機器の手配や、工事手配がスムーズに進むよう準備はしておきます。

工事を発注するとまずは用地の整地から始まり、
パネル設置、PCS、キュービクルの設置など2ヶ月~3ヶ月の工事期間となります。

これだけの作業をこなさなければならないので、
候補地のお話しをいただいてから発電開始までは2年~3年の期間が必要になります。

実際、太陽光発電所の工事期間は2ヶ月~3ヶ月とかなり短いので、
すぐに、簡単に建設されているように見えますが、
実は水面下でこれだけの手間をかけて建設されているのです。

DCIM100MEDIADJI_0024.JPG

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
太陽光投資ファンドに関するお問い合わせはこちら

関連記事

ページ上部へ戻る