小水力発電所建設に向けて(2015年6月3日発表)

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先日、株式会社ゼックでは小水力発電所の開発を

これからすすめていきたいとこのブログで申し上げました。

 

しかしまだまだ太陽光のように小水力発電自体は

普及していく段階に入っていないと思われます。

その要因は様々あるのですが、

その一つの要因として、先日も申し上げましたように、

小水力発電を行うためには水を使う権利を取得しなければならない

ということがあります。所謂、水利権と呼ばれるものです。

 

水利権とは、河川の水、湖沼の水などを

排他的に利用することができる権利のことです。

ところがこの水というものを独占的に使うということは

非常に難しいのです。

 

ご存じのように例えば川の水は昔からその水を使って

付近に住んでいらっしゃる方の生活用水として使われていたり、

又は農業用水として使われていたり、

はたまた製造業を行う工場の工業用水として利用されたりしています。

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つまり大げさにいえば水はこれまでの長い人類の歴史の中で

誰かがその自然の水を使って生活やビジネスに利用されている

というのが普通の状態なのです。

 

水利権を取得する相手方はもちろん行政機関なのですが、

行政としてもこれらの利害関係者さんの同意がないと

なかなか水利権を与えてくれません。

よって水を取らせてもらうことで利害を有する方たちと

何度も話し合いを持つことになるのです。

 

もちろん水力発電のために取得した水は発電後、

再度同じ川に流すことになるので川全体の水自体は

減ることはありませんが、取得してから流すまでの、

水が減る区間(減水区間)の利害関係を有する方たちとの

利害を調整することになります。

 

太陽光はパネルがいくら太陽を浴びても、

他人が使っている太陽光までとることはありません。

そういう意味では事業の性質がまったく違うのです。

 

又普及を妨げている要因として、もう一つ考えられることは、

水力発電に携わる専門家が少ないことです。

水力発電自体は古くからある発電形式で、

1800年台後半から始まったと言われておりますから、

太陽光発電よりもずっと前から存在しおります。

特に大正から昭和初期にかけて水力発電所が多く作られ、

この頃は大半が水力発電であったのですが、その後高度成長期に入り、

安い化石燃料による火力発電や原発の普及に伴って、

水力発電の存在感がだんだんと薄れてきたことに起因しているようです。

 

現在、日本では2012年にFITが始まって

徐々に又この水力発電が見直されてきております。

太陽光発電とは違って安定電源の部類に位置づけられた小水力発電は、

これから有力な再生可能エネルギー電源として育てていかなければなりません。

 

開発には太陽光発電以上の努力が必要になりますが、

多様化した再生可能エネルギー電源を持つことは、

我々にとって安定的な代替電源を持つことにつながり、

私たちの子供たちの未来に大きな遺産を残すことにつながればと思っております。

 

ゼックでは、現在小水力発電の開発を一から進めておりますが、

物件の選定から土地の取得、利害関係者との調整、水利権の取得、

資金調達、建設から完成に至るまで、

まだ数年の年月を要することになりますが、

何としてもやり遂げたいと思っております。

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