日本とドイツのエネルギー政策の違い(2015年3月18日発表)

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photo Getty Images

先日、ドイツのメルケル首相が来日したことは記憶に新しいと思います。
日本とドイツは歴史的にともに敗戦国で、
モノづくり主体の経済を構築してきたというところでは非常に親しみやすく、
類似した国と言えるのではないでしょうか。
しかし、今回の来日で対照的な両国の政策の違いが露わになりました。
 
ドイツは東日本大震災3.11の1か月後に、それまでのエネルギー政策の大転換を図りました。
2022年までに現在のすべての原発を廃止、
2050年までに電源の80%を再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマス等)で
賄うという大きな方針を打ち出しました。
 日本は3年前から固定価格買取制度が実施されていますが、
ドイツは2000年より同制度がなされており、
既に15年たった現在は電気の30%近くを再生可能エネルギーで賄っております。
(日本は大規模水力込でも約10%程度)

これだけでも大きな違いではありますが、重要なのはここからです。
大震災の当事国である日本政府はこれから原発を再稼働させていこうとしており、
将来的に再生可能エネルギーや化石燃料、
原発をどのように組み合わせていくべきかの将来像も示せていない状況です。
先日の両国の首脳会談ではこのあたりがクローズアップされました。

ドイツに行くとよくわかるのですが、ドイツは再生可能エネルギー利用という創エネの部分だけではなく、
省エネに力を入れているという事です。特に建物の断熱について義務化されています。
建物を改修する時や新築する時には一定の規定値を設けて、断熱の程度を規制されるわけです。
つまり、使うエネルギーを節約する事こそがエネルギー政策の基本になっているのです。
従って第一に省エネ、第二に創エネというようになっています。

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ドイツのパッシブハウス(省エネ基準をクリアした住居) 出典ウィキペディア

非常に合理的な考え方ですね。再生可能エネルギーでもっていくら電気をつくろうとも
エネルギーを使う量が減らないようでは(逆に増えるようでは)意味がないということです。
 日本では再生可能エネルギー利用という事ばかりが話題になりがちですが、
省エネという一件使い古された言葉が本当に大事なのだなとドイツに行ってみて本当に思いました。

今、地球温暖化の影響は気温や海水面の上昇、異常気象や生態系の変化等多岐にわたっています。
日本としてどのようなエネルギー政策をしいていくのか、
上記原発問題や温暖化問題等の諸問題を徹底的に議論し
、早期のエネルギーミックスを示してほしいものです。

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