日本とドイツの違い(2016年10月20日発表)

昨日ドイツ在住環境ジャーナリストによるセミナーに参加しました。

「100%再生可能エネルギーシナリオ」(ドイツ)img_4493

こう聞くと、また夢みたいな話を・・・
と思われるかもしれません。

ところがドイツではこれは既に当然の話になっているのです。
話の内容は現実的に再生可能エネルギー100%になる際、
どの様な内容になるべきかの検討が始まっているというものでした。

話のスタートが、
再生可能エネルギー100%になるんだから、
それに向けてどうすればよいかといったところから始まります。

なぜ日本とこうも違うのか?

政治がしっかりと主導権をとって物事を決め、進めていく国と、
なんとなくつじつまが合いそうな、
みんながそこそこに納得しそうな、
大きな文句が出なさそうな着地点を探す国の違いを
とても感じてしまいました。

日本では2030年のエネルギーミックスを下記のように想定しています。

●再エネ 22~24%程度
●原子力 20~22%程度
●LNG火力 27%程度
●石炭火力 26%程度
●石油火力 3%程度

このうち再生可能エネルギーの内訳は、
○水力 8.8%程度
○太陽光 7.0%程度
○バイオマス 3.7~4.6%程度
○風力 1.7%程度
○地熱 1~1.1%程度

これでしっかりと温暖化ガスの抑制が出来るのでしょうか?

40年廃炉を前提に、しっかりと安全が確認された原発の未稼働して、
22%もの発電量が確保できるのでしょうか?
(運転可能な原発はすべて動かすといった前提でしょうか?)

再エネはこの程度で良いのでしょうか?

日本は資源のない国といわれていますが、
再エネに関する資源は豊富にあります。

・豊富な日射量
・強い風
・地熱
・急峻な山岳による落差と水量

まずはどのエネルギーをどれくらいまで増やすのか?
それぞれのエネルギーはどこまで増やすことが出来るのか?
再エネのバランスはどうなれば理想的なのか?
2030年の発電コストはどれくらいが想定されるのか?

そういった分析をしっかりと国民に示し
どの様なゴールに向かっていくのかを示すべきです。

それによって、どの程度地域独立電源が実現できるのか?
どの程度送配電網を強化しなければならないのか?
そいったことが初めて見えてくるのではないでしょうか?

そうすればどの様な規制緩和や、規制強化を行い、
エネルギーをどの様に育てていくかが決まるのではないでしょうか?

ドイツでは下記のような具体的な検討が始まっているそうです。

・どのエネルギーにこれから伸ばせるポテンシャルがあるか?
・エネルギーミックスをどうすれば同時同量を果たせるか?
・再生可能エネルギー100%になる際、どの様な仕組みが必要か?

日本の政治も、しっかりと目標や将来像を決め、
それを実現していくかじ取りをしてほしいものです。

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