買取制度が新しいフェーズに入った(2016年4月6日発表)

先日の新聞に 
‘太陽光価格2割下げ 政府「売らずに使う」促す‘
という文字が躍っておりました。

記事では大型の産業用太陽光については今期24円に変更後、
2019年にかけて18円程度まで下げていく。
家庭用に関しては同年までに24円まで下げていくとの方針が示されています。

つまりこれまでのように普通に太陽光発電を設置して、
売電をしていってもこれからの売電価格の適用では
なかなか魅力ある投資にはならない可能性があるということで、
それであれば太陽光発電した電力を自家消費という形で使っていきましょう。
ということです。

 これは方向性としては正しいように思います。

理由は2つあると思います。
一つは記事にもあるように太陽光発電の買取代金の原資は国民が負担しております。
これが既に標準家庭で675円となっており、
制度が始まった12年度の10倍になっているということです。
このままのペースで行くと想定以上の国民負担になってくるのではないかという危惧があります。賦課金拡大2

二つ目は昨年の九州電力問題にも表れているように、
電力系統(電線)の容量がひっ迫しているという事情があります。

九州だけではなく現在では関西、中部、関東圏という大都市近郊においても
様々な場所で連系制限が生じてきており、
それとともに太陽光発電設備設置の連系負担金も大きな金額になってきています。

これらの状態は専ら売電することのみによって再生可能エネルギーを増やしてきた
これまでの政策を変えなければいけない局面に来ていることを示しているということです。

つまり再生可能エネルギー普及の第二段階に入ったということです。
それが記事の見出し文字の「売らすに使う」ということなのです。

使うということは文字通り太陽光発電した電力をその場で自家消費することによって
系統(電線)に電力を流さない方向にすることを考えるべきだということです。
そうすることによって国民負担の賦課金の抑制と系統負担の緩和を図っていこうということです。

ドイツはこの局面で自家消費ボーナスというものを導入しています。
例えば屋根で生み出した電力を自家消費した方が全量売電するよりも
経済的メリットが出るような制度にしたのです。

日本はドイツに実質12年遅れて買取制度を導入しましたが、
他国の様々な事例をもっと参考にして買取制度をスタートすべきだったのではと思います。

現在のような状況に至るまでにもう少し時間を稼げたのではないかと思っております。
遅きに失した感は有りますが、これからどのように自家消費に誘導していくかは
日本政府の腕の見せどころではないかと思うのです。

折角ここまで盛り上がってきた再生可能エネルギー普及の目を
どのように更に拡大させていくことができるのか、
私たちも知恵を出し合いながら考え、そして実践していきたいと思いました。

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