Fuel CellはFool Cell? トヨタのミライ(燃料電池車)はエコなのか?(2014年3月11日発表)

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※トヨタHPより転載

鳴り物入りで登場したトヨタのミライ、売行(予約)は非常に好調なようです。
しかしながら、米国電気自動車ベンチャーであるテスラ社のCEO、
イーロンマスクは「Fool Cell」(ばかげた電池)と切って捨てます。
その理由は水素を作る際に排出される温暖化ガス(二酸化炭素)です。

日本自動車研究所が2011年にまとめた試算によると、
1KM走るのに排出される二酸化炭素は・・・・

燃料電池車    79グラム
ガソリン車   147グラム
ディーゼル車  132グラム
ハイブリッド車  95グラム

となり、ハイブリッド車より2割弱減るにとどまります。
2009年に日本エネルギー研究所が行った試算によると
燃料電池車168グラムとなり、
ガソリン車の170グラムと同程度となります。

このような試算は車の走行距離などにより変動しますが、
天然ガス等から水素を製造する限り、水素製造過程で二酸化炭素が発生しますので
あまりエコな結果にならないと言わざるを得ません。

燃料電池車を本当に環境にやさしい移動手段とするには、
水素を再生可能エネルギーで作れば良いのです。

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再生可能エネルギーには様々な種類があり、
水力発電や地熱発電は安定して一定の出力が可能で、
ベース電源として位置づけられます。

それに対して太陽光発電や風力発電は、
天気の良い日中や風の強い日など、
特定の条件のときのみ大きな出力となり、
不安定電源といわれています。
しかしながら日本の太陽光発電、風力発電のポテンシャルは高く、
それらを抜きにして再生可能エネルギーの普及は難しいと考えられます。

一般的に電気はためておけないといわれます。
ですので、需要と供給をバランスさせることが必要なのですが、
太陽光発電などの不安定電源が増えると
電力供給系統が不安定化すると懸念されています。

最近話題になっている九州電力問題、
これも、単純に言うと供給が需要を上回る可能性があるので、
系統全体が不安定になり、停電が起きる可能性があるというものでした。

そこで経済産業省は発電量が多くなりすぎた場合、
電力会社が発電量を抑制できるというルールを作り、
再生可能エネルギーを増やす方向で動いています。

では余った電力をどこかに溜めておけないのか?
蓄電池は電気をためることができますが、
非常にコストが高く、現時点では現実的ではありません。

そこで……
「再生可能エネルギー(電力)をとにかくたくさん作り、
 余った電力で水素を作る。」
これが一番の解決策になるのではないでしょうか?

上記日本自動車研究所の試算によると
太陽光発電により生み出された電力で水素を作った場合
燃料電池車が1KM走るのに排出される二酸化炭素は
わずか14グラムとされています。

これで燃料電池車は究極のエコカーに近づきます。

上記模式図にあるように、
再生可能エネルギーで水素を作り、
燃料電池車に供給するだけでなく、
ガレージの車から家庭に設置された燃料電池へ水素を供給
そこで熱と電気を生み出す(コジェネレーション)。

もちろん水素の貯蔵や供給(移送)方法や安全性、
インフラの整備など、簡単ではないことが多くあります。
それらは様々な技術革新で克服され、
コストが下げられるものと思われます。

模式図のような社会が実現することを願っていますし、
その一助となれるよう頑張ろうと思います。

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