九州電力問題を含めた系統連系に関する当社見解

誤解の多い「九州電力再生可能エネルギー買取問題」

2014年9月、九州電力は、住宅用太陽光発電以外のすべての自然エネルギーの買取新規申込みの受付保留を発表しました。
一部のメディアでは「九電、再生エネ買取中断へ」と取り上げ、さも太陽光発電の将来に問題があるような印象を与える報道がなされました。

しかし、再生可能エネルギーの固定価格買取制度は問題なく運用されており、将来的にも問題のないものと考えております。
九州電力問題に関する当社の見解を述べたいと思います。

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再生可能エネルギーの買取中止ではない

一番多く誤解されているのは、再生可能エネルギーの買取制度がストップしたというものです。

実際には、「電力受給契約申請の受付を保留」であって、新規の契約受付を一時的に保留しただけです。
したがって、すでに電力受給契約申請が完了した発電所は問題なく、発電した電力が買い取られます。

当社で募集している発電所は、全て電力会社との接続契約が終了しており、今後問題なく申込時の買取価格で買取が行われます。

発電した電力は、20年間一定価格で買い取られる

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再生可能エネルギーの買取制度は、法律で定められた制度です。
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」という法律がそれにあたりますが、重要なのは以下の点です。

既に電力会社との電力受給契約が締結されている発電所は、買取価格と買取期間20年に関しては変わらない

つまり確実に系統連係され、発電を開始することができ、発電した電力は20年間一定価格で買い取られるというわけです。
20年間買取価格は固定されて発電の全量を買取るという事で、固定価格買取制度と言われています。

このしくみは、再生可能エネルギーをより推進するための制度で、ドイツでは2000年から運用されており、15年経った現在ではドイツ国内電力の30%近くを再生可能エネルギーで賄っています。
化石燃料や原子力に大きく依存する、日本のこれまでのエネルギー政策を転換する上でも重要な役割を担う制度と考えています。

なぜ九州電力は受付を保留したのか?

graph九州電力は、「電力受給契約申請の新規受付を保留」しました。

その理由は、現在申し込みされた発電所の発電量が全て接続されれば、九州電力の最大需要量を上回るためというものです。
これにより、太陽光発電は増えすぎてしまっていて、系統容量を上回っていると誤解されています。

しかし、太陽光発電はその性格上、100%フル稼働が継続することはまず考えられません。
想定を上回る強い日照が断続的に続かない限り、100%での稼働はほとんどありえないでしょう。

九州電力の最大需要量は16.3GW(ギガワット)。
設備認定した再生可能エネルギーの発電所がフル稼働すると、17.9GW。
たしかに、発電量が上回りますが、現在の発電量は、最大需要量に遠く及ばない2.4GW。

実際に権利を獲得しても、想定通りの発電が出来ないところが一定数あると考えられるため、需要量を上回る可能性は低いと考えます。

管内の需給調整が正常化すれば、受付も再開されると考えられます。

エネルギーミックスとは?

前述のドイツでは、2040年に65%、2050年に80%と再生可能エネルギーの比率を高めることを政策として掲げています。

再生可能エネルギーが普及することで、電気の価格も下がることが予測されます。
低価格で、化石燃料のように二酸化炭素を排出せず、原子力のように放射性廃棄物の問題もない、再生可能エネルギーの推進に国全体で取り組んでいます。

我が国では、理想とするエネルギーミックスの道筋が示されていないのが問題だと考えます。
再生可能エネルギーを増やし、原子力、化石燃料を減らすより好ましい、エネルギーのあり方を考えるべきではないでしょうか。

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