これで再生可能エネルギーの電源の多様性はすすむのか?(2015年8月7日発表)

FITが始まった2012年以降、再生可能エネルギーの普及が大きく進んでいるが、

その大半は太陽光発電だと言われております。

太陽光発電が実に90%以上占めているというわけです。

適地探索の容易性、規制が比較的少ない、買取価格の高さ、

事業開始までの期間が短い等様々な利点があることで

普及が大きく進んだと思っております。

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しかし、これまでのブログの中でも時折、触れてきているように

ここにきてなかなか新しい案件を発掘しにくくなってきているのも事実です。

 

電力会社の設備容量が一杯になってきている事で、

配電線、変電設備等を増強しなければならず、

それに要する費用を発電事業者自身が負担しなければならないことが

多くなってきています。

 

発電事業者は大きな負担金を請求される場所については採算が合わないので

発電事業を中断することになります。

一方電力会社サイドでは申請された発電所の出力は累積していくことになり、

さらにみかけの送電線容量を圧迫していくことになるのです。

 

電力会社としてはこういう状態を解消すべく、

一つの取組として負担金を発電事業者1社が負担するのではなく、

その地域内のすべての発電事業者で案分することによって、

又は入札形式で負担金の支払いと優先順位をつけていくことで

事業化できる仕組みを考えているようです。

 

国としてのエネルギーミックスの方向性がある程度打ち出された今、

再エネ設備の種類ごとの計画的な導入目標をもっと具体的に示して、

FIT制度を根本から見直していくべき時がきているように思います。

 

太陽光発電一辺倒になるような施策ではなく、

小水力や地熱など安定電源に資する発電所をたくさん作っていけるような

大胆な発想が必要なのではないでしょうか。

 

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発電事業者は買取価格が高いからという理由だけで

太陽光発電に邁進していったということではありません。

先ほど述べたようにいかに事業化しやすい環境がを整えられているか

ということが非常に大きなウェートを占めています。

 

政府はしきりに太陽光だけではなく、

小水力や地熱等の安定電源をもっと入れていきたいと期待しているようですが

このままでは絵にかいた餅になってしまうのではないでしょうか。

 

例えばあまり電圧変動しない小水力発電であれば、

優先的に系統に接続する義務を電力会社に持たせるような、

そんな大胆な方策が必要ではないでしょうか。

 

そうでもしない限り、政府が目指す電源の多様化

や適度な再エネバランスを維持することはできないのではないだろうか。

再エネ普及の現場にいるとそう感じる毎日です。

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