電気自動車について考えてみました。(2017年2月8日発表)

現在株式会社ゼックでは13カ所の発電所の維持管理を行っています。
技術部に同行し発電所に向かう度に
いったいいつまでガソリン(化石燃料)を燃やし、
好きな時に好きな場所に行けるのか?
などと考えてしまいます。

エネルギー効率という言葉をご存じでしょうか?
エネルギー、一般的な自動車の場合ガソリンを使って
移動するという目的を達っするのに、
消費されるエネルギーの内、何%が本来の目的に使われるのか?
といったことです。

言葉で書くと何だかややこしいのですが、
簡単に書くと一般的ガソリン車の場合、

移動するエネルギー    10%
熱エネルギーやその他ロス 90%

※諸説あるようです。
 一般的には20%くらいという説がありますが、
 それは理想的な『定速運転』の状態で、
 船や飛行機ならあり得ますが、
 自動車のように発進/停止を頻繁に繰り返す場合、
 10%くらいではないかということです。

となっていました。
本来の目的外に90%ものエネルギーをロスしている?
かなり驚く数字です。

今はまだ原油も採掘されていますし、
CO2削減は喫緊の課題といわれながら、
自家用車の規制まで行われていませんので、
このような無駄が多い移動手段を使うことが許されています。

何年か後には、ガソリンに対する税金が今の何十倍~何百倍になるとか、
個人の自動車利用が規制されるといった事態になるのでしょうか?

そこで解決策となりえる電気自動車について調べてみました。

例えば日産リーフの謳い文句は「Zero Emission」、
すなわち排出量ゼロです。

本当にそうなのでしょうか?

リーフは電気で走りますので、
走っている限り排出されるのはモーターからの熱くらいでしょうか?
確かにCO2や有害物質は排出しません。

ではリーフを充電する際の電気はどうやって作られているのでしょうか?

原子力発電所の再稼働が進まず、
電力会社は石炭火力、石油火力、LNGなどを使って発電を行っています。

石炭火力の場合、前述のエネルギー効率が30%程度、
発電する際の余熱まで利用するガスCC(コンバインドサイクル)でも
エネルギー効率は45%程度とされています。

実は「Zero Emission」ではないのですね。
実際に電気自動車を走らせる際には、
そこでのエネルギー効率も考慮する必要があり、
最終的に20%~30%になるようです。

実に70%~80%ものエネルギーをロスし、
その電気が石炭火力由来の場合、
多くのCO2を排出しているのです。

ではが再生可能エネルギー由来の電気を利用すればどうでしょうか?

例えば太陽光を例にとって見てみると、
太陽光発電でのエネルギー効率は20%程度です。
80%はパネルの温度上昇=熱エネルギーなどで失われます。
がしかし、太陽光はもともと地表に降り注ぎ、
全く利用されていなかったものです。
また、発電時にCO2を排出しません。
※パネルやPCSなど発電設備を精算する際CO2が排出されますが、
 その割合はわずかです。

再生可能エネルギー由来の電気をもって電気自動車を充電すると考えた場合、
遠隔地に大きなメガソーラーを作り長距離を送電するより、
自宅に太陽光パネルを設置して充電する方が現実的な気がします。

自宅に5kWの太陽光発電設備を設置すると、
想定される年間発電量が約6000kWhとなります。
一般家庭の年間電力消費量が3600kWhといわれていますので、
まずは発電分を自家消費しても2400kWhの電力があまります。

日産リーフの蓄電池容量は30kWhですので、
単純計算で一般家庭3日分の容量があります。
これは一般家庭がエネルギー自給=自立できる可能性を示しています。

電気自動車が1km進むのに必要な電力量は0.107kWhといわれていますので、
余剰電力で約23000km走れることになります。

確かに少し乱暴な計算です。
日中発電量がピークをむかえる太陽光発電に対し、
自動車で日中よく出かける家庭だと充電できませんし、
自動車を利用している間は、既存の電力系統から電気を買う必要があります。

しかしながら、大規模な太陽光発電所を作るより
かなり現実的な気がします。

例えば公共施設やショッピングセンターの屋根に太陽光パネルを設置し、
その駐車場に充電設備を作るなど工夫の余地はまだまだありそうです。

電気自動車と再生可能エネルギーを
ミックスさせて普及させるような施策が実施されることを願います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
太陽光投資ファンドに関するお問い合わせはこちら

関連記事

ページ上部へ戻る