COP21の意義(2016年1月14日発表)

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今回はCOP21について少し述べてみたいと思います。
そもそもCOPとは何でしょうか。
Conference of the Parties 「締約国会議」の略称です。
1992年に国連で採択された気候変動枠組条約(地球温暖化防止条約)を
締約した国の代表が集まって行われる会議のことを意味します。
年に1回開催されます。
   
目的は簡単に申し上げると気候変動をもたらす様々な悪影響を
防止するためにみんなで目的を持って進んでいきましょう。
という会議です。
このようにラフに書くとあまり重要ではない会議のように感じるのですが、
これは世界の将来を決める本当に大事な会議と言えると思います。

1995年から毎年1回開催されているので、
昨年末のパリで21回目、それでCOP21というわけです。
COP21のパリ合意は本当に意義深い内容でありました。
と同時にまだ先が遠いようにも思える合意でもありました。
両方の思いがあるということを少しご説明します。

<意義深いと思われる点>
我々がよく耳にするCOP3での京都議定書の下では
CO2等削減義務に向けた取組が一部の先進国に限られていたのに対し、
パリ協定のもとではほとんどの先進国、途上国が新たに加わりました。

途上国の環境対策に対する先進国の資金支援が奨励される等、
地球温暖化対策の公平性がたかまり、
より一層のCO2等削減量が拡大すると期待できることは
まさに世界が一丸となって環境対策に取り組む大きな道筋ができた
という意味で本当に大きなことだと思います。

COP16のカンクーン合意では産業革命前に比して
気温上昇を2℃未満に抑えることの目標が示されていたが、
パリ合意では更に踏み込んで1.5℃未満に抑える意欲的な目標が示されたほどです。
これをもって今世紀後半には実質的にCO2等排出量をゼロとすることを目指します。

<先が遠いと思えること>
各国の現政権においてはこの条約に合意しているものの、
各国の首脳が自国で議会等の承認を得られるかという問題があります。
パリ協定の発効要件は世界のCO2等排出量の55%以上を占める
55カ国以上の批准が必要です。

実質的には米国と中国の参加を前提としているのです。
オバマ大統領は議会承認なしで批准できる見通しでありますが、
今年の大統領選挙でもし、共和党に政権で移行すれば覆される可能性も
残っているようです。

又今回各国が国連に提出した約束草案のCO2等削減目標を達成したとしても、
地球の温度上昇は2100年までに2.7℃と予想されており、
カンクーン合意の2℃さえも死守できない可能性も残されていて、
さらなる努力目標が各国に求められることになります。

他にも懸念点はまだまだあるのですが、とりあえず全世界が共通の目標に向かって
一丸となって進むという意思の確認はこの合意でできたのではないかと思われる。

我々も日本国の一つの小さな要素であることに違いはなく、
今、目の前にある国の温暖化対策に積極的に参加し、
自分たちでできることを一つずつ形にしていくことが求められていると思います。

省エネ、創エネをもっと身近なものにしていき、自らの小さな目標を考え、
遂行していく時期に来ていると思います。
我々の生活の場面においては、よく考えてみれば省エネ、
創エネにつながる行為は色々な場面で出てきます。

全世界の一員として今個人が果たすべき役割は決して小さくありません。
我々の子供の世代にどんな未来を残すのか、
今まさに実行していく時が来ているのではないでしょうか。

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