2014年11月24日放送のワールドビジネスサテライトで再生可能エネルギー、
特に太陽光発電に関する特集がありました。
現在経済産業省にて認定されている設備が全て発電開始したとすると、
国民から徴収される再生可能エネルギー賦課金が
2.7兆円になるというものでした。
まず前提として、設備認定を受けた発電所が全て稼働するということは
現実的に起こり得ないと思いますが、
特集の中で、一部の大企業が再生可能エネルギー全量買取制度のもと、
大規模な発電所を建設運営し、大きな利益を得ており、
その原資は国民から徴収される再生可能エネルギー賦課金であると表現されていました。
それに対して「太陽光分譲ファンド」=市民出資による再生可能エネルギー事業は
多くの方々に再生可能エネルギー事業への参加をいただくことが可能で、
国民に負担だけを求めるのではなく、再生可能エネルギーへの投資により、
リターンを得る機会を提供するものであるという内容でした。
再生可能エネルギーの普及をそれ単独で捉え、
反作用として賦課金が増える=国民負担が増えるというのは、
断片的なとらえ方ではないかと思います。
エネルギー問題はさまざまな事象が独立変数ではなく、
お互いの事象により影響される従属変数ととらえるべきです。
まず第一にエネルギーミックスを考える必要があります。
東日本大震災までは原発に依存した考え方でした。
事故がなければ発電コストが低く、
安定した供給ができる原発に優位性がありました。
しかしながら、大規模な原子力災害を経験している今、
原発に依存するのはよくないと考える人が多いのではないでしょうか?
では、それに代わるものとしてLNGや石炭火力発電がありますが、
輸入量が増えることでの貿易赤字や二酸化炭素排出の問題があります。
現実的に考えると原発は廃炉に向けた再稼働を行い、
低いながら一定規模のベース電源として確保する。
LNGや石炭火力も、ピーク対応電源として一定量を確保する。
そして太陽光のみならず、小水力や風力、地熱発電などを
数値目標を設定して導入する。
それができれば、経済に対する影響(貿易収支)や
二酸化炭素排出削減、国民負担の時期と規模が明確になり、
国民に理解されやすくまた、議論しやすくなるのではと考えます。