太陽光発電市場のブームが去った?(2016年7月21日発表)

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2012年7月からFIT(固定価格買取制度)が始まり、
買取価格の高水準を背景にこの数年間で日本中にたくさんの太陽光設備が誕生しました。

当初の買取価格を高くすることでスタートダッシュに拍車をかけたいという国の方針は功を奏し、
短期間で爆発的と言っていい程の発電所が建設されました。

しかし買取価格が当初の40円から今年度に至っては既に20円前後が予定される等
約半分の買取価格になってしまいました。
それが影響して昨年度から今年度の設備認定数は激減しているのが現状です。

先日、横浜で行われたPVジャパンという太陽光発電の展示会に行ってきましたが、
展示ブースは2年前の1/4程度になっており、来場者数も明らかに減っていて、
会場はガラガラの状態でした。
各ブースの提案内容も説得力のあるものがなく、
とても活気にあふれているというような雰囲気はありませんでした。

まさに太陽光発電のブームは去ったのかと思わせるような光景でありました。

しかしどの業界もある種ブームという時代を経験しています。例えばテレビや車が普及する、
インターネット(パソコン)が普及する、携帯電話が普及すると言った時も
我々はそれぞれのブームというものを経験してきました。

それでは現段階でテレビや車やその他前述したものが
この世から消えてしまったのかと言うと決してそうではありません。
むしろまだ我々の生活にしっかりと根付いている商品ではないでしょうか。

ブームが一旦去った時にそれぞれの業界の努力により
技術革新や新たな付加価値を見いたしていくことによって、人々をひきつけていった結果、
いつの間にかなくてはならない商品になっていっているのだと思うのです。

それはやはりその商品を提供する側の絶える事のない努力の結果ではないでしょうか。

翻って太陽光発電設備という商品に目を向けてみるとどうでしょうか。
確かにそれを使って楽しいものではありません。生活に便利なものでもありません。
又目の保養になるものでもありません。
従ってそれを購入するということに人為的な動機が必要になるのです。
それがFIT(固定価格買取制度)というものです。
しかし上述したようにFITの効果が低下していっている今
これからどのように普及させていけばいいのでしょう。

商品をいかに魅力的にするかという事は技術革新によるものもあると思うのですが、
それをもっとソフト的にいかに有用性を持たせられるかという事も大きな要素になります。

太陽光発電だけではなく小水力や、風力も含めて再エネ全般の電源比率をあげていく事は
至難の業であると思うのですが、日本においてはこれからが正念場だと思うのです。

国の力つまりFITの買取制度に依存してきた再エネ業界を
今度は我々自身が切り開いていかなければなりません。
これからが再エネ業界の真価が試される時だと思っております。
頑張っていかなければ。

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