先日、弊社が加盟している第二種金融商品取引業協会のある説明会に参加いたしました。
内容は関東事務局や証券取引等監視委員会の我々のような金融商品取引業者に対する検査の方向性、
最近の指摘事項や検査結果の説明についてです。
所謂金融庁は金融商品を取扱う業者を第一種金融商品取引業者(銀行、証券、生命保険会社等)、
第二種金融商品取引業者(主にファンド募集業者)、運用業者(投資顧問業者)、
投資助言・代理業者に分けて登録制にして、国内の金融行政を円滑に遂行できるよう
統制をしているのが現状です。
株式会社ゼックは上記第二種金融商品取引業者になります。
参加して感じた事はこれだけ情報が蔓延している世の中でも
まだまだ金融トラブルがたくさんあるのだなと感じました。
たくさんあるというのは意図的に法令を守らない業者が多い事とそれと
同時にその勧誘説明を言葉通りに受けとってすっかり信じてしまう人がこれほど多いのかということです。
代表的な例を下記します。
①投資のトラブル
高齢者を中心に未公開株・社債・ファンド等の取引に関する詐欺的な投資勧誘による
被害が多発している。「上場間近ですよ」、「元本保証」、「損失は取戻せる」という古典的
なうたい文句で巧妙に投資意欲を促す手法
②海外業者取引のトラブル
海外所在業者とのFXやバイナリーオプション取引等により、
出金に応じてもらえない等のトラブルが急増。
「誰でも簡単に設けられます」、「海外なので日本の法規制は受けません」
と言葉巧みに迫る手法
③金融機関の口座関連トラブル
インターネットバンキング利用者のID・パスワードを盗み預金等を
不正に払いだす事案が発生しています。
「あなたの口座が犯罪に使われました。通帳と印鑑を預かります」
「銀行から個人情報が漏れてしまいました」、
「返金できますので利用者IDとパスワードを教えてください」
とインターネットを使っていかにも銀行からの申し出として偽る手法
上記のような話をこのように活字で読めば、
こんな話には自分はのらないだろうと思っていても、
現実に自身に降りかかってきた事象については人間は弱いものなのです。
人はいつでも精神的に安定している状態であるという訳でははありません。
色々な悩みやその時々の感情をもって私たちは普段の生活を送っているのです。
そのような中で敵はそれとなく時間をかけて我々に迫ってくるのです。
色々な事例を見たり聞いたりしながら備えておくと言うのは非常に大事なことなのです。
上記述べましたような巧妙な手口を使って法令違反を犯す金融商品取引業者は
今後も絶えないと思われます。
金融庁はこういう行為を防止するために、金融商品取引業者に対して予告なしの
業務内容の検査を行ってきます。
弊社にも一度入っていただきましたが、会社の人的構成から業務体制、
出資者の皆様に開示している書面全て検査対象になります。
半澤直樹ではないですが結構きつい検査になります。
検査を受けている時にはここまで調べるのですかと言うくらい詳細に行われますが、
逆に言えばそれだけ詳細にお調べいただくことが今の日本の金融行政を
支えていただく上で必須であると感じております。
しかしどんなに行政で努力いただいても、全ての金融商品取引業者に検査を行うほどの
人員を抱えているわけではありません。
そこで重要になるのは我々一般国民の投資に対する認識レベルを上げていく事だと思います。
いつまでたっても存在する金融トラブルに対して備えることと、
その金融商品自体をしっかりとした判断ができるように知識レベルを上げておく事が
必要なのではないでしょうか。