原発再稼働と脱原発(2017年4月21日発表)

4月8日に東松島9号現地見学会を行いました。
そこで出資者の方々とお話しする機会があったのですが、
その中で原発の話が出ました。

福島県在住の方がおっしゃっていたのがお米の話です。
福島の米はとても品質が高く新潟さんにも負けないのに、
今は買う人がほとんどいない。
放射線量に関しては全数検査しており、
問題がないとお墨付きが出ているにもかかわらずです。
(外食産業では使われているようです。)

以前このブログでも書きましたが、
常磐道を宮城に向かう途中、
放射線量の電光掲示板が数カ所あります。

福島第1原発から遠いところでは0.9マイクロシーベルトでしたが、
近くになるにつれ、3.4マイクロシーベルトまで上昇しました。

一般的に自然界から年間2400マイクロシーベルト被ばくすると言われていますので、
1時間にすると0.274マイクロシーベルトです。
一番線量の高かった場所、3.4マイクロシーベルトの場所にいると、
約1ヶ月で年間被ばく量に達します。

帰還困難区域の基準は年間被ばく量が50ミリシーベルト(50000マイクロシーベルト)を
超える場所となっています。
1時間当たり3.7マイクロシーベルトの場所では、
年間の被ばく量が32.4ミリシーベルト(32412マイクロシーベルト)となります。
今でもどれほどの放射能汚染があるかが分かります。

このような過酷な現実が東京から200Km(直線距離)のところで起きているのでが、
震災から6年が経過し、現実が直視されなくなってきていることを感じます。

福島在住の方は、もう原発はこりごりだ。
なんとか原発に変わるエネルギーを増やすことに力になりたいので
太陽光発電に投資したとおっしゃっていました。
そのほかの出資者の方々も同じ意見でした。

一度事故が起こるとこのような悲惨な事態を招く原発は
将来的に全廃すべきだと思います。

では原発の再稼働に関してはどうでしょうか?
世論調査(2017年3月・毎日新聞社実施)でも
原発再稼働反対 55%
     賛成 26% となっていました。

国民の過半数が原発の再稼働に反対しているのに、
何故再稼働に向けた動きは止まらないのでしょうか?

安倍政権は2014年に発表した「エネルギー基本計画」で、
「原発依存度は可能な限り低減」させるが、「重要なベースロード電源」としています。

この前提には原発が止まることで、化石燃料の輸入が3兆円規模(当時)で増え、
それが原因で電気代が上がるということがあります。

電気代の過度な上昇や、CO2排出の増加は困る、
でも原発を積極的に再稼働しますというと国民の反発を受ける。
なので上記のような曖昧な?(どちらかというと矛盾した)表現になったのでしょう。

しかしながら、このようなその場しのぎの矛盾した説明を続け、
原発の再稼働を進めると、余計に国民の理解を得られないのではないでしょうか?
国は明確な方針を打ち出した方がよいと思います。

ここからは「エネルギー基本計画」の草案を審議した
総合資源エネルギー調査会基本政策分科会委員の橘川武郎教授の受け売りですが、

・原子力発電所の再稼働は進めます。(化石燃料輸入費とCO2排出の低減)
・厳格に40年廃炉を適用します。
・再生可能エネルギーを増やします。
・火力発電はCO2排出の少ないものにリプレースします。
・2030年のエネルギーミックスは、原発15%、再エネ(含む水力)30%
 火力40%、コジェネ15%とします。
・2050年には原発を全廃します。

例えばこのようなわかりやすい方針を打ち出してくれれば、
廃炉に向けた再稼働に理解を示しやすいのではないでしょうか?

結論として、「原発全廃に向けた再稼働を進める。」ということになります。

政治がリーダーシップをとって、
しっかりとしたエネルギー政策を進めてくれることを願います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
太陽光投資ファンドに関するお問い合わせはこちら

関連記事

ページ上部へ戻る