先日4月6日のブログの中で買取制度が新たな段階に入ったと申し上げました。
今回は改めてそのことについて触れたいと思います。
これまではFITを利用して電力会社に売電することで収益を売るという
完全買取保証型のモデルを実践してきました。
それはそれで再エネ普及のスタート地点にあっては、
買取価格が高く設定された事もあり、
FIT導入前の再エネ量に比べて、6倍弱まで普及しました。
ほとんどの電源が太陽光発電であるとか、
急激な再エネ量の増加に対して電力会社の体制の不備や電線容量の不足等様々な問題はありながらも、
再エネ普及が一定の成果を上げたことは非常に喜ばしいことであり、
素晴らしいことだと思っております。
この3年の最も大きい成果ってなんだろうと考えた時、
一番大きいのは日本にいる人々の再エネに対する意識の向上だと思うのです。
エネルギーって大きな資本を持っている電力会社のような大企業にしか
つくれないものだと思っていなかったでしょうか。
私も含めてほとんどの国民がそう思っていたのではないでしょうか。
太陽光発電設備を始めて作った時に、
自分でもエネルギーというものを作れるんだと感動した記憶があります。
それまではエネルギーを作ることは、遠い世界の誰かが作って、
それを送ってきてくれるものだったのが、
自分で作っていけるものだという身近なものに感じている自分がいます。
つまり、自分がそうであるようにこの3年間のFIT期間を通して
一番大きなものはやはり国民のそのような意識の向上ではないかと思うのです。
そういう意味で日本のFITの第一ステップ期間としては色々な議論はありますが私は成功だと思います。
さあ、でも問題はここからです。
国は2030年までに再生可能エネルギーの電源割合を24%まで持っていくと決めました。
現在12%の割合を倍増させるということはたやすいことではありません。
買取制度施行後、たった3年半しか経過していないにもかかわらず、
現段階で電力会社の未稼働原発の電力容量を前提とした電線容量、変圧器容量が不足していること、
電力買取価格が低下していること等を考えると
これからどのようにして再エネ比率を倍増させていくのでしょうか。
単に再エネ電源を多様化しただけでは、解決できない問題があるように思えます。
その鍵が自家消費にあると思うのです。
これまで産業用の再エネ電力はそのほとんどが全量買取に費やされ、
全て既存の電力系統に流していました。その結果上記の問題が発生したという訳です。
例えば会社の大型冷凍倉庫の屋根に太陽光発電設備を設置し、
その生み出された電力をその場で自家消費することを想像してみてください。
系統に電力を流さないといういことは電力会社の電線容量に負担をかけないということ、
FITの買取価格低下に左右されないということ、
又電力会社に買取られるものではないので国民が負担している
再エネ賦課金を増大させるものではないということ。
を考えると現在の起きている再エネ普及の障害をすべてとは言いませんが
和らげてくれる方向に行くのではないでしょうか。
自家消費といってもそれはそれで色々な困難を解決していかなければならないところですが、
少なくとも現状をこじ開ける一つの手段であることには違いないと思います。
自家消費の手段についてはゼックにおいてもこれから色々な研究を通じて
その精度を高めて行くことを考えております。
折に触れてこのブログで情報発信していきます。