これからは再エネも自家消費の時代に・・・・(2017年2月17日発表)

最近、自家消費と言う事をよく耳にするようになってまいりました。
特に再エネ事業に身を置く私たちにとっては、
本当によくこの言葉を使うようになってまいりました。

このブログでも以前に一度自家消費についてお話をさせていただいたように思います。
その時はまだ太陽光発電の買取価格が今のように水準(現段階21円/KWh)
になっていなかったので現実味が薄かったのではないでしょうか。

産業用太陽光発電の買取価格の推移は下に示すグラフのようになっています。
一方電力会社から購入する電気代は次のようになっております。
これを対比してみていただくと一目瞭然です。
2017年単価で比較すると太陽光発電の買取代金は21円/KWhで
同年の電気代は比較的安い単価の事業用の電気代であっても22.75円になっていて、
現状では電力会社に太陽光発電による電力を買い取ってもらうよりも自家消費をした方が
経済的に見ればお得になっているということなのです。

従いましてこの4月以降の太陽光の買取価格を前提に発電事業をするのであれば、
自家消費を選択した方がいいということになります。
今後は更に電力会社の電気料金があがっていくことが予想され、
又一方でFIT買取単価は下がっていきますのでこの傾向は促進されていくものと思います。

FITが始まった当初の5年前は再エネ、特に太陽光発電コストは非常に高いと言われました。
しかしFIT開始後、太陽光発電所の建設価格が大幅に下がり
今では弊社の算定基準で15円/KWhを下回っているものと思っております。(20年の発電量を基準)

電力会社から電力を買うと事業用電気代でも22.75円(予想値)ですので、
完全に太陽光発電所からの電力の方が安くなってしまったということになります。
電力会社で買う電気代と太陽光発電コストが等しくなる状態を
グリッドパリティと呼びますがそこを超えてしまったということになります。

そういう意味ではFITの目的である「再エネコストの低減」というさしあたっての目標は
達成されていっているのではないかと思っております。

これからは補助金やFITに頼らない形で太陽光発電が経済合理性を持って自立し、
促進されていく事を祈っております。

ただ、問題はまだあるのです。
太陽光発電はこれから「自家消費の方が経済的メリットがある」
と言う事だけで広がっていくかと言うとそうではありません。

太陽光発電特有の問題があります。
それは不安定な電源で太陽次第という弱みを持っているということです。

人間が電気を使うのは太陽の出ている時だけではありません。
雨の日や曇りの時には満足な発電ができません。
逆にあまり電気を使わない時に、需要以上の発電をしてしまうこともあります。

こういう問題を解決するために、蓄電池をいかに安く開発できるか、
又小さなネットワーク内で電力の不足や余分を融通しあったりするような
システム構築の研究が盛んに行われております。

まだまだ解決しなければならない問題は様々あるのですが
再生可能エネルギーの発電コストが安くなっていっている
という事は全世界的な流れです。

今や全世界の電気の約22%は再エネで作られていると言われています。
地球温暖化対策において再エネを主要な発電源として位置付けていく事は
本当に大事な事だと思います。

国のリーダーが再エネにシフトするという方向付けをすれば必ず実現できます。
そんな日が来る事をいつも私は願っています。

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