今日は再エネの話でもCO2削減の話でもありません。環境についてのお話です。
先日、7月9日、米コーヒーチェーン大手スターバックス(スタバ)は、2020年までに世界で展開する約28000の全店舗でプラスチック製使い捨てストローの使用を廃止すると発表しました。
又米ファストフード大手マクドナルドも2018年9月から英とアイルランドの全ての店舗でプラスチック製ストローの使用をやめ紙製に変更する計画を発表しました。
我々がいつどこででも普段何気なく使っているストロー、ペットボトル、レジ袋はすべてプラスチック製品です。
先日6月にTBSニュースでも取り上げられていましたが、プラスチック製品は世界で年間3億トン以上が生産され、およそ800万トンが海に流出すると推定されています。
あまり実感がわきませんが、1秒ごとに換算すると250キログラムのプラスチック製品が海に捨てられている計算です。本当にこんな量が廃棄されているのかと愕然としますね。
海中のストローやレジ袋は紫外線にさらされ、風や波の力でだんだん小さく切り刻まれていくようです。コンビニでもらうレジ袋から、数千個のマイクロプラスチックができると言うのです。
そしてプラスチックと言うものは自然には分解されないので、海に蓄積され海流に乗って世界中に広がっていくのです。
道路で見かけるストローやレジ袋のごみは配水管を伝って川に流され、それが海への辿りつき、やがてはマイクロプラスチックと言う5mm以下の破片になり、それをプランクトンが食べ、そのプランクトンを魚が食べ生態系を脅かすだけではなく、やがてはその魚を人間が食べると言うことに繋がっているようです。
下の写真はスペインの埋立地でビニール袋にがんじがらめになったコウノトリです。コウノトリはやがて寿命によってその命を絶ち、死体は風化して亡くなっていくでしょうがビニール袋は亡くなる事はないのです。
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こういう状況を踏まえて各国の取組が注目を集めています。
EUは使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する法案が提出されている。法案ではストローや綿棒、マドラーや食器など日常的に使われるプラスチックが禁止の対象になるようです。2025年までにはほぼすべてのプラスチックボトルをリサイクル回収すると考えています。中国では2008年以前にはレジ袋が30億袋を消費していましたが、レジ袋使用禁止以降70%が減ったと言われています。その他の国でもプラスチック製品に対する課税等の措置によりその消費を減少させることができましたが、まだ問題の根本的な解決には至っていないのが現実のようです。
本年6月にカナダで開かれたG7シャルルポアサミットでは海洋プラスチック廃棄物に関する海洋プラスチック憲章が採択されましたが、日本と米は産業界への影響を慎重に調査、検討する必要があるとして参加を見送っており、積極的な姿勢はみられません。
皆様、世界的な問題に発展しているこの状況をどのように考えますか。日常生活で何気なく使っているプラスチック製品が今地球環境に大きな影響を与えようとしているのです。
だからと言って「私はプラスチック製品を決して使わないようにしよう。」と言うのはこのご時世非常に難しい話だと思います。であればその消費を最小限にするという意識で普段の生活を準備すると言う事、例えばコンビニで買うコーヒーは自分用のマグカップを使うと言うことやプラスチック製品を使わざるを得ない状況になった時は少なくとも分別をしっかりと施した上で廃棄すると言う事をしようと肝に銘じている今日この頃です。
ちなみに先ほど昼食を取るため会社を出た時にコンビニのレジ袋が風に乗って飛んできましたが、それをごみ箱に捨てている自分がいました。知ると言う事は行動を変えると言うことなのですね。