令和元年5/1に思ったこと
皆様、令和元年おめでとうございます。
なんだかお正月が2回来たような気分になっているのは私だけでしょうか。
「天皇の退位」という事を考えたときに政治的また歴史的には色々な問題を抱えることはあると思うのですが、純粋にお祝いムードになるという意味では非常にいいことだと思います。
昭和から平成に変わったときは天皇崩御というニュースの中で何かあわただしく元号が変わり、改めて過去未来を考える余裕もなしに時が過ぎていったような記憶があります。
令和は我々日本の最大関心事の一つでもあるエネルギー政策はどのようになっていくのでしょうか。この日思ったことを少し書こうと思います。
東日本大震災を契機に日本中が関心を持ったエネルギー問題は大きな転換を強いられました。全世界的な温室効果ガス抑制の機運が高まる中、それまでは原発をエネルギーの中心に据えて日本を支えていこうと政府は全発電量の50%以上を原発に依存する方向を模索していました。
しかし原発災害を境にその目論見は転換せざるを得なくなりました。
ご存知のように原発を一旦全部ストップし、固定価格買取制度(FIT)を策定し、再エネを促進する政策に転換いたしました。
FITは色々な問題を抱えながらも予想以上の効果を発揮し、現在では再エネを日本の主力電源にするというところまでその位置づけが変わりました。
2030年に再エネ24%、原発22%その他化石燃料というのが令和元年時点での日本のエネルギー割合目標です。
再エネの中でもその主力電源になりえるのは太陽光発電と風力発電と言われています。
この天候によって変動するこの二つの電源をどのように増やしていくのか、まさにこれがこれからの再エネの電源主力化を目指すうえでの一番の課題だと思っています。
パリ協定が示すように欧米をはじめ世界的な再エネ促進が叫ばれる中、どの国も課題として挙がっているのがこの太陽光、風力という変動電源をどのように系統内にうまく取り込んでいくのかという事、これが現時点の最大の課題といってもいいのではないでしょうか。
令和のエネルギー政策を考えるうえでこの課題をいかに克服できるか、日本や世界の再エネ政策をどこまで展開できるのかはまさにここにかかっているのではないかと思います。
弊社はこれまで太陽光発電を中心としてその普及を後押しすべく、創エネ分野で活動をしてまいりましたが、この分野を継続しつつ、一方で再エネを系統にもっとたくさん取り込んでいくために我々ができることをやっていきたいと思っております。
具体的にはVPP(バーチャルパワープラント)の構築やAI、IOTというテクノロジーを積極的に導入し、再エネの主力電源化に貢献していきたいと思っております。
2021年3月をもって現在のFITは一定の役割を終え、おそらく電力卸市場を活用した再エネ政策に転換されていきます。今の再エネは固定価格買取制度の下で発電するだけで発電事業者として何の責任も課されずに収益を得るだけの身分を享受し、いわば特別な恩恵を受けています。これは普及当初は必要な施策なのですが、これから再エネが主力電源の地位を得るためには発電事業者として一定の責任を担うという役割が必要になってきます。この責任の内容というのは少し込み入った話になってくるので追々このブログでお話していきます。
令和の時代が再エネを中心とする安定的な電源を供給し、原発に依存しない未来を我々の子供たちに残せるよう頑張っていきたい、そんなことを思った次第です。