PPA(Power Purchase Agreement、電力購入契約)の知識①

<FIT,FIPとPPAの違いについて>

前回のブログにて申し上げましたように、今後の太陽光分譲ファンドにおいては、FIT(固定価格買取制度)ではなくPPAを利用した事業となる可能性が高いため、数回に分けてPPAについての知識、メリットやデメリットを簡潔にお伝えしていきたいと思います。

まず第1回目はFITとの違いについて述べたいと思います。FITは皆様もご存知だと思いますが、これは2012年から国の制度として規定され、再エネ自体が世の中にあまり知れ渡っていない時に固定で高い価格で国が再エネ電力を買い取ることによって、まずは再エネを普及させるというのが目的でした。国が買い取るという表現をしましたが原資はもちろん国民のお金(再エネ賦課金)です。つまり国民のお金で賄われています。同様に、FIPも国民の資金を利用しています。

一方、PPA(Power Purchase Agreement)は発電事業者、小売電気事業者、需要家の三者間の契約で成り立っており、民間需要家が買取主体となります。国の制度ではなく、民間の任意契約です。従いまして、FIT(Feed-in Tariff)とは異なり、契約に際して定まった要件はありません。買取期間や買取価格に制限はないため、契約当事者の意思で自由に決定することができます。

FITやFIPは原資が国民のお金で成り立っていますが、PPAは民間の買取事業者(需要家)の資金で運営されています。当初は再エネを普及させるために国民の資金を必要としましたが、10年が経過し、再エネに対する世の中の意識が変わり、PPAを通じて電力の民間需要資金で再エネ発電所を建設できるようになったことは、再エネが通常の経済取引商品として認められるようになった証拠だと言えるでしょう。

そういう意味では、脱炭素を目指す上で欠かせないもののひとつである再エネが世の中の通常取引商品の一つになったことは非常に良いことです。これが経済合理性に従った本来の姿であり、これからが本当の意味での再エネ普及の正念場だと思います。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
太陽光投資ファンドに関するお問い合わせはこちら

関連記事

ページ上部へ戻る