エネルギーミックスを考えてみた。(2015年5月6日発表)

150506enemix

これからのエネルギー政策の指針となる2030年時点でのエネルギーミックスが策定された。
原子力20~22%程度、再生可能エネルギー22~24%程度とし、
火力発電の比率は60%以下に引き下げる。
温暖化ガスの削減、電気料金を含めた経済効果、
エネルギー安全保障を考えあわせた結果であると思われるが、

まったくの説明不足でつじつま合わせにしか感じれないのは私だけだろうか?

東京理科大学大学院の橘川武郎教授も指摘されているが、
原子力発電の比率が20%を超えるということは、
老朽化した既存原発すべての再稼働だけでなく、
原則40年の運転期限を20年延長する、
すでに建設に着手している新設原発の稼働を見込んでいると思われる。

はたしてそのようなことが可能なのだろうか?
国民感情として受け入れらるのか?
なぜ、運転延長や新増設の議論を広く行わないのか?

昨春の閣議決定、
「原発を可能な限り減らし、再生可能エネルギーの導入を拡大する。」
と決めたはずである。
運転延長や新増設はそれに反しないのか?

世界各国のエネルギー政策をとりまとめるIEA(国際エネルギー機関)の予測では、
2030年に全世界で再生可能エネルギーの割合が30%に到達する見通しである。
その中で、24%とは消極的すぎる数字である。

エネルギーミックス策定の基本となる電源別コストにも疑問がある。
2030年の原発による発電コストは10.1円と最安になっている。

原発による発電コストを過少評価することで、
原発を再稼働すれば、電気料金を抑制することが可能で、
温暖化ガスも削減できるという方向にもっていっていると感じられる。

例えば追加的安全対策費は電力会社が1基あたり約1000億円と見込んでいるのに対して
601億円しか見込んでいない。
43基の中には老朽化した発電設備も多く、
実際には1000億円を大きく上回る安全対策費が追加で必要になることは確実である。

核燃料サイクル費用に関しても非現実的な前提をもとに過小に見積もっている。
いまだに核燃料のサイクル設備が稼働していないにもかかわらず、
使用済みの燃料を20年から45年かけて100%再処理できることを想定して費用を試算した。

さらに高レベルの放射性廃棄物の処理費に至っては、
電力1kWhあたりわずか0.04円しか計上していない。
最終処分場のめども立っていない状況では、
そもそも費用を試算すること自体が不可能である。

もはや原子力発電のコストが安くないことは広く知られている。
既存原発すべての再稼働と新増設稼働など現実的に起こりえないとは考えないのか?

原子力発電に多大な費用をつぎ込み、放射能汚染のリスクを高めるのか?
再生可能エネルギーにを増やし、安定供給という課題に取り組むのか?
国の未来をかけた大きな分岐点に今いるのではないか?

温暖化ガスフリーの44%はその多くを再生可能エネルギーで占めるべきで
国民に広く情報を開示し、議論を深め、
政治がリーダーシップを持って進めていくべきだと思う。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
太陽光投資ファンドに関するお問い合わせはこちら

関連記事

ページ上部へ戻る