COP21は2015年12月12日2020年以降の温暖化対策の国際枠組み
「パリ協定」を正式に採択しました。
このパリ協定は京都議定書と同じく、法的拘束力の強い協定として合意されました。
それからどのようになったのか、
各国首脳が自国に持ち帰ってこのパリ協定に対して国として
議会で承認を得る作業があります。
これを一般的に批准と言います。
国として批准しなければ、パリ協定に参加できないことになり、
協定から離脱と言うことになります。
ところがパリ協定発効の条件は二酸化炭素排出量で55%以上を占める
55カ国以上の承認が必要なのです。
先日アメリカと中国の二酸化炭素排出量の世界トップ2が早々にパリ協定を批准しました。
これで条件をクリアすることになり、先日11月4日パリ協定が発効いたしました。
一方日本はと言えばパリ協定のは発効時期を見誤り、
批准に向けた手続きが遅れたため
COP22の期間中に開く批准国による第1回締約国会議へは
オブザーバー参加にとどまることになった。
日本は昨夜、やっとパリ協定を批准しました。
安部総理は8日国会の承認を受けて
「気候変動への国際社会への取組に主導的役割を果たしていく」とする談話を発表しました。
この状況で果たして主導的役割を担っていくことが可能なのでしょうか。」
この経緯を見ていると、
他国のパリ協定批准状況を見て自国の温暖化対策に対する行動の指針としているのかと
言われても仕方のないような振る舞いではないでしょうか。
逆に言えばパリ協定がしっかりと発効すれば
自国でも批准しようという意思が見え隠れするのです。
少し言いすぎかもしれませんが、
野党との対決要素がないこの法案をこの時期に承認するという事は
そう思われても仕方ないように思います。
それはそうとして再度パリ協定の内容について復習してみましょう。
1、今世紀中に世界の平均気温上昇を2℃未満に抑える。1.5℃も視野に入れる。
2、人間活動による温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質的にゼロにする。
(世界全体の排出量を生態系が吸収できる範囲に収めると言う目標が掲げられた)
3、各国が5年ごとに排出量削減目標を見直し、国連に提出義務を負わせる。
4、5年ごとの目標の設定はそれまでの目標よりも高い目標を掲げる事。
これが主要な部分です。これまでの合意よりもより具体的な目標になっています。
温暖化対策問題は世界共通の問題です。
地球にあるどの国もこれには参加しないと言うようなものではありません。
参加しなければ地球から出ていってください。
と言うくらいの問題だと思うのです。
経済力のある先進国で、かつ温暖化対策の先進技術を有するわが日本が
この問題に関して少しでも消極的な姿勢を見せる事は、決してあってはならない。
としみじみ思ったこの1週間でした。