原発の真実はどこにあるのか?(2016年11月16日発表)

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原発の再稼働が始まっています。
最新の世論調査では、再稼働反対が57%、賛成が29%と報じられています。
http://www.j-cast.com/2016/10/18281069.html

原発再稼働が本当に必要かどうか真実はどこにあるのでしょうか?

個人的には原発は将来的に全廃すべきと思っています。

東松島9号発電所の建設に伴い、
東京から常磐道を走っているとモニタリングポストがあり、
放射線量を表示する電光掲示板があります。161116c
福島第一発電所近くになると急に線量が上がるのがわかります。161116b

原発事故により、今でも立ち入りが規制されている場所があります。
放射性物質による汚染で住めない場所があるということです。
過酷事故が再び起きるとこのような事態になる、
それは受け入れがたいと感じます。

原発再稼働には考えなければならない様々な要素があります。

・エネルギーミックス
・エネルギー安全保障
・コスト
・温暖化ガス排出抑制

インターネットで「原発は必要か?」と調べると、
再稼働推進派と反対派の意見が出てきます。

再稼働推進派は、
「コストを下げるためにある程度のリスクを背負わざる得ない」
と説明されているように感じました。

NHKの視点・論点 「原発再稼動 必要性を考える(1)」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/226481.html

↓一部抜粋↓
ゼロリスクはないという前提に立ちながら、事故が生じる確率とその事故が起こった際の汚染などの影響を、
総体として最小化するという考え方が世界の標準です。
日本も、この考え方に立って新たな規制基準が策定され、電力会社がその基準をクリアしたうえで、
さらに自主的に安全対策を常に上積みしていくことで安全を守るということが要求されています。
つまり、審査を通ってもわずかながらも残るリスクについては、
発電所の現場におけるハード・ソフト両面での安全対策の改善に向けて、
電力会社が継続的な取組みを進めていく責任を負っているのです。
電力会社は、規制委員会の審査に合格するだけにとどまらず、
地元住民に対して安全対策への取組みについての真摯な姿勢を示し、
安心と信頼を構築していくことが原発再稼働には必要不可欠なことだと言えましょう。

WEDGE infinity 日本をもっと考える
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5265?page=4

↓一部抜粋↓
日本において再稼働反対が多いのは、安全性がなによりも大切と考える人が多いからだろう。
安全保障、コスト、温暖化対策より絶対的な安全性が大切と考えるか、
事故のリスクはあるが、原子力を利用するメリットが大きいと考えるか、
立場により異なるのかもしれない。

再稼働反対派は
「電気は足りている、原発のコストは安くない、リスクは容認できない。」
というスタンスでしょうか?

ダイヤモンドオンライン 「電気が足りているのに、なぜ原発を動かす必要があるのか?」
http://diamond.jp/articles/-/75642

dot. 「災害に強い再生エネルギーの宝庫である九州に原発は必要なのか?」
https://dot.asahi.com/wa/2016042700187.html?page=1

・コストを下げるために原発の過酷事故リスクを許容できるのでしょうか?
・原発を再稼働することでコストは下げるのでしょうか?
・原発が無くても電力は足りているのでしょうか?
・過酷事故後、周辺住民にガン患者が急増するのでしょうか?

真実はどこにあるのでしょうか?

・エネルギー供給量 電気は足りているのか?
 あえて電気と書きましたが電力ですね。
 いうまでもなく現代社会において電力の安定供給は必須事項です。
 震災以降全ての原発が停止していましたが停電は起きていません。
 これはかなり乱暴な話で、実際に何が起きているのかを見てみると
  ・老朽化した石炭・石油火力が稼働している。
   それにより、化石燃料の輸入が2兆円以上増えている。
   電気代上昇の原因となっている。
   温暖化ガスの排出が増えている。

・新基準電原発過酷事故リスクは下がっているのか?
 審査に関してはかなりテクニカルな、瑣末な部分に入っていってしまっていて、
 実際に原発の近くで地震が起きた場合、事故に発展しそうな場合、
 周囲の住民が合理的に避難できるのかなど、
 現実的な部分にかなり問題があると感じました。
 また、安全性の高い最新型へのリプレースが議論されないなど、
 過酷事故は起こりえるという前提なのではと思わざるを得ません。

・原発の発電コストは本当に低いのか?
 様々検索してみましたが、原発の発電コストには廃炉費用も含んでいるという記述や
 廃棄物の処理や廃炉費用をしっかりと見込むともっと高くなるはずだとか、
 過酷事故の補償費用などを考えると一番高くなるといったものがありました。

 過酷事故のリスクが完全に排除されない状況では、
 やはり事故補償費用なども見込み必要があり、
 そこまで考えるとやはりコストは安くないのではと感じます。

・原発が無いと温暖化ガスの削減はできないのか?
 これに関しては、原発を全廃するかどうか? といった極端な議論ではなく、
 原発の安全性を高めて、廃炉に向けた積極的な再稼働を行いつつ、
 コスト低減を見込める再エネ比率を増やすといった柔軟な考え、
 現実に基づいたロードマップが無ければ、効率的な削減はできないのでは感じます。

将来のエネルギーのあるべき姿、エネルギーミックスに関しては、
東京理科大・橘川教授の見解がわかりやすいと思いました。
 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20150825/433064/?P=1

橘川教授の解はこうです。

・原発は既存の物を廃炉し、同じ敷地に安全性の高い最新型を建設する=リプレース→原発比率15%以下
・再エネは30%程度まで増やす→2030年以降は再エネ賦課金が激減するのでコストアップにつながらない。

これならエネルギー基本計画に掲げた
「原発を極力減らし、再エネを最大限に拡大」という内容にも合致します。

これなら「S(安全)+3E(経済性・環境性・安全保障)」も
クリアできる可能性があるのではないでしょうか?

こうやって安全性を確保しつつ、経済性を追求しつつ、温暖化ガスを減らしつつ、
時間をかけて原発を全廃する。
明確なロードマップを示されることを期待しております。

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