これまでこの題名で2回ほど触れてきました
電気のデジタル化について今日はその3番目になります。
1回目はスマートメーターについて、
2回目は無線給電技術についてでありましたが
いずれも電気がデジタル化されることによって、
今後電気自体を様々な場面で流通させていくことができる事を示してきました。
まあ、簡単に言ってしまえば
どこでもだれでも電気を売ったり買ったりできるような
世の中になっていくということなのです。
そこで問題になるのは電気をお互いに売買する時に一つ重要な事があります。
どのようにして取引金額を決済するのかです。
いま私たちは電気代をどのようにして決済しているかもう一度考えてみましょう。
当然電気は電力会社から買っています。
買うためには電力会社に代金の引き落とし口座を伝えて
毎月使用した電力量に応じて、同社から請求書明細が来ます。
というか勝手に引き落とされていくという形で電気の売買を行っているわけです。
しかしこれからは電力会社以外にPPSという特定規模電気事業者というところからも
電気を買うことができるようになっています。
本年5月の段階でも約390社が登録されています。
(実はゼックも今年3月に登録しました。)
電力自由化によって様々な企業が電気の小売り事業に参入を果たしており、
これから面白い電力サービスがどんどん生まれてくるようになります。
一般消費者(需要家)としては色々な会社の様々なサービスを利用する、
つまり複数の会社から電力を購入すると言うことが想定されます。
・例えば次のコンサートで使用する電気は
100%北海道のある地域の風力発電の電気を購入したい。
・この温室野菜を育てる電気はすべて再エネで賄いたいので、
どこどこの太陽光発電所や小水力発電所と取引がしたい。
・生活レベルでは街を歩いている時に携帯の充電が切れてしまいそうなので、
コンビニで 電気を購入したい。
なんて事が可能な事になった時にどのように決済するのかという問題が出てきます。
つまり自分の購入した電気量とそれに対する価格を正確に紐付けして、
しかも少コストでしっかりとAB間で決済ができる仕組みが必要になってくるのです。
少し前段が長くなりましたが、このような決済を可能にするのがブロックチェーンという技術です。
書店に行けばブロックチェーンを題材にした書籍がたくさん出ています。
現在ある決済システムは大規模集中型の電算システムで
大量のデータを一つのシステムの中に貯蔵し、
全てをここで管理し、データ出力していくものです。
この問題点は何かと言うとシステム構築に莫大な費用がかかってくるということです。
電力会社のように大きな投資ができる会社はいいのですが、
そうでない会社はなかなか難しいですね。
ブロックチェーンの根本的な発想はネット上で分散してデータを保持することによって容量を軽くし、
相互に監視できるシステムを構築することで
強力なセキュリティーと確実性を維持していくシステムです。
これによって決済コストを大幅に低減できるという訳です。
なんだか難しいですね。
大企業であってもデータ容量が大きくなるにつれてその都度追加投資が必要になってくるので
大きなコストがかかってきます。
この呪縛から逃れようと現在このブロックチェーン技術を利用した
決済システムを検討している大会社が増えてきました。
ブロックチェーンと言う技術を使って決済する時にに実務レベルでは
何をどうするのかはまだ不明なのでまだピンとこないですね。
しかしこれからはこういう技術が導入されてあまりコストをかけずに
あらゆる物が決済できるようになっていくのではないでしょうか。
電気のデジタル化はスマートメーターや無線給電技術という施術進歩だけではなく、
そういう流通を支える決済技術も進化していっているということですね。