トランプ大統領、ついにパリ協定離脱正式表明、本気ですか(2017年6月16日発表)

このブログでも以前に触れましたが
トランプ大統領がパリ協定離脱を正式に表明しました。

トランプ氏は現在選挙期間中に主張してきたオバマケア(医療保険制度改革法)の見直し、
法人税率や個人最高税率等の引き下げ、メキシコとの国境に壁を建設する事、
難民とイスラム圏7カ国の入国制限等様々な大統領令を出していますが、
今のところ満足な成果を得られていません。

追い打ちをかけるようにロシアゲート疑惑が持ち上がり、
大統領としては非常につらい立場にあるように見えます。

ちまたで言われているのは政権内又は自らの支持者からの信頼を回復するために、
パリ協定離脱というカードをこの時期に持ってきたのではないかと言われています。
そんなうわさや憶測はひとまずここでは置いておくとして、
公式にトランプ氏が離脱の理由に挙げている一番大きなテーマは下記のようなものです。
「パリ協定で約束した温室効果ガス削減目標を実施に移せば、米は大きな犠牲を強いられる」
「2025年までに270万人の雇用が失われ、
2040年までにGDP(国内総生産)3兆ドル、650万人の雇用が失われる」と言っています。

皆様、どう思われますか、「National Economic Research Associates(NERA)」という
民間のマーケティング会社の調査によるものらしいのですが、
どのようにしてこういう試算を出せるでしょう。

例えば100歩譲ってこれが正しいとしましょう。
それでもこれまで世界を引っ張ってきたアメリカの大統領が言うことでしょうか?

既に全世界は温暖化抑制に向かって進んでおります。
特にパリ合意は全世界(シリア、ニカラグア以外のすべての国)が一つの方向に向かって
結束を誓い合った初めての画期的な方向性を示したものです。
この合意には我々の後の世代に我々の繁栄のつけを払わせてはならない、
気候変動による深刻な負の資産を我々の子や孫に押し付けてはならない。
という全世界の人々の決意が込められていると私は思うのです。

科学的に証明がなされている温暖化問題を
自国の経済的利益を阻害する要因としてしかとらえられない視野の狭さに驚きを禁じ得ません。

戦後これまで賛否両論あるにしても米は誰もが認める「夢を実現する国」であったし、
まさに世界の平和のためにお金も出せば口も出す、
モラルリーダーとしての地位が米にあったのは間違いないと思うのです。

その地位こそが色々な意味で「米が世界のリーダー」として全世界の中で暗黙の合意があったのだと思います。

トランプ氏は事あるごとに「Make Amwrica Greate Again」「America First」を繰り返し言いますが
彼の言動は全く逆行しているのではないでしょうか。

全ての国の大統領や首相は同じように自国を強くしたいし、
自分の国が一番であってほしいと思っているでしょう。
それは一国のリーダーなら誰しもが思うことです。

それは当り前のことであって、あえて言うまでもありません。
自国の経済的利益と人類の利益をどのように調和させていくのか、
そこに新のリーダーとしての資質を発揮してほしいのです。

「CO2を最も排出する石炭発電業界の雇用を守るために、パリ協定を離脱する。」

本当にこんな事を思っているのでしょうか。
自分を指示してくれる人を優遇するのは世の常ですが、時代遅れの産業の雇用維持を図ることよりも、
米では今や原子力発電よりも発電コストが安くなった再エネ産業に
その雇用を移していく事を考えるのが大統領としての職務であると考えるのです。

大変申し訳ありません。
取乱してしまいました。
これ以上書いていると興奮してくるので今日はこの辺りで打ち止めます。

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