今般「太陽光発電が増えすぎた」という話をたまに耳にします。
また、昨年一部新聞で「再生可能エネルギー全量買取法破綻?」などと
センセーショナルな見出しも躍りました。
?が付いているのがみそで、実は全く破たんしていませんし、中止にもなりません。
実際には九州電力管内で設備認定を受けた発電所容量が、
管内需要量を超えたので、新規申込みを保留したに過ぎません。
詳しくはこちら・・・https://zecj.jp/info-20150204/
では本当に太陽光発電所は増えすぎたのでしょうか?
現在数字の出ているものでは2013年の電源構成を経産省が発表しています。
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shoene_shinene/shin_ene/pdf/001_03_00.pdf
これによると大型水力を除く再生可能エネルギーは2.2%にすぎません。
政府が2014年4月に策定した「エネルギー基本計画」では、
将来の電源構成(エネルギーミックス)を具体的な数値では示しませんでした。
原子力発電所の再稼働を見通せないことが最大の理由ですが、
再生可能エネルギーについては「これまでのエネルギー基本計画を踏まえて示した水準を
更に上回る水準の導入を目指す」と表現しています。
では、これまでのエネルギー基本計画を踏まえて示した水準とはどのようなものでしょうか?
その1つが2010年に策定した「2030年のエネルギー需給の姿」です。
そこでは再生可能エネルギーが20%以上となっていました。(発電電力量ベース)
政府は再生可能エネルギーを少なくとも20%以上必要であると明言しています。
そして再生可能エネルギー全量買取法は再生可能エネルギーを急拡大させるために施行されました。
<以下 ビデオニュース・ドットコムより抜粋>
再エネの調達価格を決定する有識者会議の委員長を務めた京都大学大学院の植田和弘教授によると
今回の事態について固定価格買取制度が破綻をしたとの見方を言下に否定する。
むしろ、固定価格買取制度が当初想定した通りに機能し、
再エネの発電量が順調に伸びてきたのに対し、
それを支えるインフラとなる系統(送電網)の拡充や
送電網を電力会社による独占から解放する発送電分離などが、
そのスピードに全く追いついていないところに、原因の根幹があると指摘する。
再エネ、とりわけ太陽光発電の買い取り価格を高く設定しすぎたことが、
太陽光の急激な増加に繋がったのではないかとの指摘に対しても、
そもそも買い取り価格制度自体は、再エネを急速に普及させるための制度であり、
その批判は当たらないと植田氏は言う。そして、本来は再エネの増加を予測した上で、
それに合わせて系統の拡充や電力会社間の広域連携の整備も
同時進行で行われる必要があったにもかかわらず、
電力会社も政府もその対応を怠ってきたことのツケが今回まわってきたと指摘する。
また、今回5電力が接続を保留する措置に出たことについても、
変動電源のシェア拡大によって系統が不安定化することを防ぐ手立てとしては、
余剰の電源を貯めておくことができる揚水発電や、
他の電力会社との間で融通しあう広域連携の拡充など、
いろいろな手段が考えられるにもかかわらず、
前触れも無く唐突に接続を止めるという措置は性急であり、
その妥当性についてもしっかりとした検証が必要との見方を示す。
原発依存路線を選んだが故に、世界から10年以上遅れているとされる日本の再エネ市場は、
固定価格買取制度が導入された2012年以降、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長してきた。
しかし、いくら成長したとは言っても、日本における再エネのシェアは依然として3%程度であり、
既に20%を超えるドイツやスペインの足下にも及ばない。
それだけ大きな変動電源のシェアを抱える国々の系統が、
シェアが2割を超える再エネを消化できていることを考えあわせると、植田氏が指摘する通り、
日本が系統の整備を怠ってきたことは否めない。
<以上 ビデオニュース・ドットコムより抜粋>
要約すると、温室効果ガスを削減し、化石燃料の輸入赤字を減らすために
急速に再生可能エネルギーを増やさなければならない。
そこで、開発速度の速い太陽光発電の買取価格を高くし、
まずは太陽光発電を速いペースで普及させる。
その間に風力発電や、小水力発電、地熱発電など
さまざまな特徴をもった再生可能エネルギーをバランスよく増やす。
それが筋書きだったはずです。
太陽光発電が増えすぎたというのはあまりにも拙速すぎる判断だと思います。
株式会社ゼックでは当面太陽光発電所の開発を進めつつ
小水力発電等、安定電源となりうる再生可能エネルギーの開発を進めていきます。
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