株式会社ゼックでは運営する発電所の維持管理を行っております。
太陽光発電は基本的にメンテナンスフリーと言われていますが、
実際に運営してみると様々なトラブルが起こります。
一番わかりやすいのがパネルで発生する直流電流を交流電流に変換するPCSの故障です。
遠隔監視装置で見ているとそこだけ出力が落ちるのがわかります。
例えば水戸4号の場合、1つの発電所に6区画あり、
6区画だけ出力が小さいのですが、1~5までは同じ60.48kWの出力です。
グラフは昨年の4月23日です。
午前10時から1区画だけ出力が落ち始め
12時の時点では10%超の出力ダウンとなっています。
この区画は9台のPCSで構成されていますので、
1台停止していると判断し、すぐに代替機をもって現場に急行
17時30分には交換を終えました。
このグラフが翌日ですが、
若干雲があり出力は伸びていませんが、
発電所ごとの出力がそろっており、
健全に発電していると判断できます。
こちらの例は原因が少しわかりにくいものでした。
昼間の高出力になる時間だけ出力低下し、
朝と午後は出力がそろっています。
こうなるとPCSの故障ではありません。
どの様な時にこの現象が出るか2ヶ月程度検証したところ、
ほとんどが日曜日に発生していました。
そこで疑われるのが、系統(東京電力)の電圧です。
電気は水と同じで高いところから低いところに流れます。
発電所で作られる電気は100V~104Vです。
そこから東京電力柱にあるトランスに電気を送り、
そのトランスで6600Vに昇圧して系統に送り込みます。
そのトランスの時点で電圧が高いと発電所から系統に電気が流れにくくなり、
出力が下がるという現象が考えられます。
日曜日は周囲にある工場などが休業しており、
電気を使わないため、電気があまり系統の電圧が上がる傾向があります。
この発電所の場合、1週間程度系統電圧を測定していただき、
ある程度系統の電圧が高いと判断され、
トランスを調整することで電圧を下げていただきました。
その後のグラフがこちらですが、
系統の電圧が下がったおかげでスムーズに電気を送ることが出来、
発電量が安定しました。
このように株式会社ゼックでは、
遠隔監視装置により発電量をチェックすることで、
常に発電所を健全な状態に保ち、
ベストな発電量を得られるよう努力しています。