皆様は第三者所有モデルという言葉をお聞きになったことはありますか?
世の中には、自宅に太陽光発電設備を設置して、電気料金を削減し、
地球温暖化防止に貢献したいと思ってはみたものの、
発電設備の高額な導入費と長期間に渡るメンテナンスを考えると
なかなか手が出せないよね、というご家庭もたくさんあります。
そんなご家庭にぴったりのサービスがあります。これを第三者所有モデルと言います。
このサービスを実践しているのがアメリカの企業でソーラーシティ社です。
テスラモーターのCEOであるあのイーロン・マスク氏が会長を務める会社です。
ソーラーシティ社が資金を出して、一般のご家庭の屋根に太陽光発電設備を備えつけます。
そのパネルから生み出された電力はそのご家庭で自家消費を行い、余剰分はFITで売電します。
消費者はその自家消費分に対して電力会社より安い単価で電力を購入します。
不足する分に関しては別途PPSや電力会社から買います。
一般消費者からすると無料で太陽光発電設備を設置してもらい、
その発電電力購入単価は電力会社から購入するよりも安く、
かつ20年のFIT終了後は太陽光発電設備を無償で
譲り受けることができる。そんなシステムです。
このサービスですが、「導入費無し」が受け、建物の所有者名義の発電設備を抜いて、
米国住宅用太陽光発電市場の72%を占めるまでに成長しているようです。
これが功を奏して2014年にはその設置容量が890MWに達し、
同年から非住宅用(産業用のメガソーラー)を市場規模で上回ってしまいました。
このシステム何がいいのか。もちろん太陽光発電設備が無料でつけられるという意味で
消費者にとっては再エネ導入しやすいという事はありますが、それだけではありません。
基本的にはそこで暮らしている方が売電目的で、系統に電力を流すのではなく、
電気代をもっと安くしようと自家消費を促す仕組みであるということなのです。
そうなることによって系統に負担を与えない方向で再エネを増やしていくことにつながるのです。
同社の発表によると、
設備のついている家庭で電気代が20%程度安くなったというところが出ているみたいです。
安くなった理由は、太陽光発電電力の単価が15セントに対して、
従来の電力会社の単価が19セントという状況だということです。
この第三者モデルは今ご説明したように、その地域の電気料金単価が大きく影響を与えます。
その地域の電力単価より、太陽光発電の発電単価の方が安いという事が必要です。
その差が開くほど消費者にとっては魅力が増してくるということです。
ソーラーシティ社にとっては、資金調達をどのようにするかが大変重要ですが、
それが克服できれば大きな成功を成功を収めるのではないでしょうか。
日本でもこのモデルを導入していこうという企業も出てきているようですが、
日本流にどのようにアレンジしていくべきか、検討すべき事がたくさんあるように思われます。
メガソ-ラ―が主流の市場である日本に一石を投じてくれる事を祈ります。