電柱問題と10号ファンド概況(2017年1月18日発表)

10号ファンドの募集は当初年明け早々を予定しておりました。
現在のところ3月1日を予定しております。

何故募集が遅れたのか?
少し事情を書いてみたいと思います。

実は募集開始までは様々なプロセスがあります。

地権者様からお申し出いただき、初めて土地を見るところから・・・

・現地検分(影はないか? 土木費の概算
・立地評価(想定日射量および過去の災害や土地の特徴等)
・連系可能容量(系統および変電所の空き容量)確認
・基礎設計(どれくらいの発電容量が見込めるか)
・経産省への設備認定申請
・電力会社への接続検討依頼
・接続検討回答

以前にも書きましたが、接続検討回答で連系負担金の概算が出ます。

連系負担金とは発電所から既存の系統(電力会社の電柱及び電線)へ
電気を送る為に電柱を立て、電線を引く費用となります。

ここで送電線や変電所容量に空きが無いと
送電線の張替や、変圧器の交換などということになり、
数億円~数十億円という費用になります。
そうなると事業化が見込めないのでその土地での発電事業はできません。

連系負担金が事業化可能な範囲であった場合、
事業化に向けた準備に入ります。

・地権者様との土地利用に関する契約
・電力会社との発電開始までのスケジュール調整

通常発電開始までは短くても1年、長いと3年といった回答が出る場合もあります。

何故そんなに時間がかかるのかという部分ですが、
大きくは2つの部分に分かれます。

1つ目は設計です。

電気は基本的にはためておくことが出来ないものです。

電力会社は常に同時同量と呼ばれる、需要と供給を一致させています。
これは使われる量と供給する量をほぼ同じにするため
電圧(周波数)が一定になるように調整をしています。

はしょって簡単に説明すると、
電気が多く使われると電圧(周波数)が下がります。
発電所はそれを検知して、発電量を増やし電圧(周波数)を
維持するように対応します。

今まで電力会社は大きな発電所で電気を作り、
送電線で消費地に届けるという仕組みでしたので、
供給はすべて電力会社がコントロールすることが出来ました。

ところが再生可能エネルギーというものが登場し、
全国各地で小規模な発電所が電気を作り、送るようになりました。

これは、エネルギー供給という面からみるととてもよいことで、
遠くの大きな発電所で作った電気を、大きなコストのかかる送電線で送るより、
地域で電気を作り消費するという動きにつながるものです。

しかしながら、再生可能エネルギー、
特に不安定電源といわれる太陽光や風力発電が増えるということは、
電力の安定供給という面からみるとかなり大変なことです。

いたるところで小さな発電所が、天候に左右されいつ発電するかわからない、
必要な時に供給されるとは限らない。
逆に、必要ではないときに多く供給されたりする。

そのような状況でも大きな電圧変動が起きないよう、
電力会社送電線~配電線の設計を行います。

これに少なくとも3カ月はかかります。
設計が混んでいると半年に及ぶ場合もあります。

2つ目は連系に向けた送配電線工事です。

その設計が完了し、連系負担金が確定すると事業者に請求がきます。
事業者が連系負担金を払い込むと電力会社と契約することになり、
連系に向けた工事の手配が始まります。

工事は短くても6ヶ月はかかるのですが、
工事手配初期段階で大幅にスケジュールがずれ込むことがあります。

それが用地交渉と呼ばれる段階です。

太陽光発電所は大きな土地と日陰のない土地が必要ですので、
概ね郊外、農村部や山間部に建設します。

そうなると発電所用地まで電線がきていない、
電柱が無いということが多々あります。

既存の送配電線、電柱から発電所まで電線を引くべく、
どこに電集を立てて、どうやって電線を引くかを設計するのですが、
電力会社には、基本的に電柱は道路ではなく
民有地に建てるというルールがあるようです。

電力会社担当者がここに電柱を立てようと設計した場所の地権者の方に
「土地をお借りする賃料を払いますので、電柱を立てさせてください。」
とお願いすることになります。

これまで太陽光発電などが無く、
電柱を立てる理由は、その先に電気を使う人がいるから、
その人に電気を供給するために建てるといものがほとんどでした。

電柱を立てさせてくださいと頼まれた地権者の方がこれを断ると
その先にいる人が電気を使えなくなるので、
これまで建柱依頼を断る方はほとんどなかったそうです。

ところが太陽光発電所が多く作られるようになり、
電力会社の用地交渉担当者が、
「この奥に太陽光発電所が建設されますので、
 あなたの土地に電柱を立てさせてください。」
とお願いに行くと断る地権者の方が現れるようになりました。

そうなると発電事業者は大変です。
他にルートが考えられるような立地であれば、
遠回りしてコストが増えるにしてもそれを検討しますが、
迂回ルートが無ければ最悪事業を断念せざるを得ません。

また迂回するということになると、
すべて設計からやり直し、その後地権者の方と交渉という事になり、
非常にスケジュールがずれ込む要因となります。

そういった様々事情があり、
10号ファンドの募集は当初予定よりも遅れることになりましたが、
現在のところ発電に向けたすべての条件が整い、
募集に向けて準備をしているという段階です。

10号ファンドによる発電所は
これまで実績の多い茨城県南部です。
出力は約1メガワット(1000kW)、募集額は3億円を少し超える程度となる見込みです。

ただ、前回9号ファンド募集時に応募いただいたにもかかわらず、
それまでに完売してしまい、補欠となってしまった方がいらっしゃいます。

この方々には優先契約権があり、それが約1億円あります。
すべての方が契約されると決まったわけではありませんが、
優先契約期間終了後、募集額は2億円強となる見込みです。

現在資料予約を受け付けております。
https://zecj.jp/fund-no10/

資料は3月の募集開始と同時にお届けさせていただきます。
資料の中には
・発電事業の詳しいパンフレット
・収支にかかる重要事項説明書
・出資契約書
等が同封されております。

ご契約いただくには、ます資料を請求していただき、
内容をご確認の上、契約書に記入捺印、
同封の封筒で返送という流れになります。

ご検討いただける際はお早めに資料御請求ください。

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