太陽光発電事業を行う際、よく耳にするのが想定発電です。
ファンド設計をする際、どれくらいの発電量=収入があるかはとても重要な部分です。
今回は実際どのようにして想定発電量を計算しているか?
を書いてみたいと思います。
どうやって発電量を想定しているのかですが、
太陽が毎年だいたいどれくらい照るか?
過去の実績から判断し、それを発電量に変換している。
そう書くとその通りだと思いますし、
なんだ簡単だなと思われるかもしれませんが、
実際はかなり複雑な計算をしています。
基本的にはJIS C8907;2005
「太陽光発電システムの発電電力量推定方法」
という手法を使います。
パネル出力、例えば270ワットというのは、
パネル正面から標準光(1kW/㎡)が当たったとき、
1時間当たり270Whの電力が得られる事を表しています。
ですので、設置予定の太陽光パネル出力の合計に、
日射量をかければ発電量になります。
実際には上表にあるように、日射量年変動補正係数や
経時変化補正係数、パネル温度によるパネル出力の低下、
パワーコンディショナーの変換効率などを加味した
総合設計係数を求めてそれもかけ合わせる必要があります。
では角度のある架台に乗せてあるパネルに当たる日射量は
どの様にして求めるのでしょか?
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が
国内837地点・20年間(1990~2009年)の日射量データベースを持っており
ホームページで閲覧、ダウンロードすることができます。
まずここでパネルの向きと仰角の影響を含んだ斜面日射量を取得します。
METPV-11というシステムで求めるのですが、
単位は0.01MJ/㎡のため、MJ/㎡に変換をします。
次にエネルギー単位MJ(メガジュール)をkWh(キロワットアワー)に変換します。
1J=1Ws(ワット秒)なので、1kWhは
1kWh=1000 X 3600(秒)=3600000J=3.6MJ
メガジュールを3.6で割ればよいということになります。
そこで求めたkWh(1時間当たりの発電量)にパネル出力と総合設計係数をかければ、
想定される発電量を求めることが可能です。
JIS C8907;2005では月間の累計斜面日射量から発電量を想定しますが、
株式会社ゼックではこれを365日1時間あたりの値を求めて積算しています。
何故1時間あたりにしているのか?
発電所にかかる影がどの様に発電量に影響を及ぼすのか?
実際の発電量は想定に比べてどうなっているのか?
そのあたりを次回書いていきたいと思います。