「RE100」「PPA」は環境関連で最近何かと話題に出てくるキーワードなので、関心のある方はよくご存じだと思います。
以前もRE100に関しては少し触れましたが、改めてここで取り上げてみたいと思います。
地球温暖化→CO2削減→省エネ→再エネ→RE100→PPA
なぜ今RE100、PPAという言葉がよく出てくるのかを順を追って再確認していきます。
初めにお断りしておきますが、わかりやすさのために各局面の事象を単純化して述べさせていただきますのでご了承ください。
まずパリ協定はほぼ全世界のすべての国が一つの目標に向かって一致団結し、各国の温暖化対策を定めました。
ここで言う目標とは、細かいことを言えばいろいろありますが、一言で言えば
「世界の平均気温を1.5℃以内に保ち、21世紀末までに温室効果ガス排出量を実質0にする。」
という事です。
そうしないと全世界は自然崩壊によって破滅の道を歩むことになるだろうと予想しているからです。
当然、ここでは主に温室効果ガスの発生を伴うエネルギー分野において省エネを推進することが叫ばれました。
まずは無駄な資源を使わないことが最も手軽に、そしてすぐに取り組める分野です。
しかしそれだけでは対策として限界があるため、次に再生可能エネルギーで二次エネルギーを創出するという事になります。
太陽光、風、水、地熱等の資源で電気や熱をつくるという事です。
再エネを投資対象にすることにより普及させ、どんどん広がっていきます(FIT)。
しかしそれを使ってくれる人や会社がないと持続していかないのです。
つまり再エネを持続可能なエネルギーにするためには、再エネでつくる電気をずっと使ってくれる対象がないと再エネへの投資は当然続いていかないのです。
今の日本はFITによって国、つまり国民全体で再エネを買い上げている状況下にあります。
しかしこれでは持続可能性がありません、いつか破綻してしまいます。
従って早く再エネを経済原理の中に取り込んでいかなければなりません。
そのためのイニシアティブ、それがRE100なのです。
RE100とはリニューアブル・エナジー(RE)100%という意味で、つまり再生可能エネルギー100%ということです。
「私たちはいついつまでに自らが消費する電気を100%再エネにします」という宣言をするのです。
2014年にイギリスに本部を置く国際環境NPOのThe Climate Groupeが中心になってこの団体を設立しました。
グーグル、アップル、フェイスブック等のIT関連企業やネスレ、ナイキ、BMW等2019年5月の段階で175社が加盟し、近年日本でもリコー、積水ハウス、アスクル等19社が加盟しています。
もうすでにグーグルのように100%再エネを達成した企業も出てきています。
これは全世界的な動きになっており、今では世界の投資マネーもCO2を大量に排出する石炭の火力発電投資をしている企業や化石燃料で作られた電気を大量に使用する企業の株には向かわないようになっています。
このような動きもRE100に加盟する企業の動きを助長しているのでしょう。
ではPPAとはなんぞやという事です。これはPower Purchase Agreement(電力購入契約と訳されます。)です。
先ほど申し上げたFIT電気は、再エネ由来ではあるけれども環境価値を持つ再エネではありません。
何を言っているの?と思われる方もおられるでしょうが、実はFIT再エネ電気は国民全体で賦課金の支払いにより買い上げているため、その環境価値は広く国民に帰属するとされています。
それでは日本はほとんどがFIT再エネなのに、どのようにして環境価値のある再エネ電気を使うことができるのでしょうか。
実はこの動きを背景に、環境価値のある再エネは市場価格が高くなっています。
手っ取り早くグリーン電力証書や非化石証書等の証書を別途購入することで環境価値を買う事もでき、現在はこの方法もよく使われていますが、環境価値をお金で買う事や再エネを増やすことに貢献していない(追加性がない)としてどちらかというと消極的な企業が増えています。
そこで出てきたのがPPAという手法です。
PPAも種々ありますが、一番わかりやすい手法としては屋根又は屋上に設置した太陽光設備からの電気を直接給電する手法です。
自家消費とあえて言わないのは、建物の所有者でない第三者が設置することになるからです。
つまり第三者が太陽光設備を無償などで設置し、発電した再エネ電気をその下の建物で消費し、その再エネ電気への対価を第三者に支払うというモデルです。
FIT制度のないアメリカではこのPPAという手法で再エネ設備がどんどん増えていきました。
今や欧米では当たり前の手法になっていますが、日本でもRE100企業の加盟の増加とともに加盟企業のサプライチェーンにも再エネ比率を要求してくることから、これからどんどん増えてくることが予想されます。
弊社、株式会社ゼックもこのPPAの推進を応援し、新たなサービスを提供していきたいと思っております。