どれくらい電気代は高くなったのか、1月分から始まる政府の補助とは?

電気料金の値上がりが続いています。様々な物価が上昇する中、生活や産業に不可欠な電気の料金値上がりが各方面に影響を与えています。家庭への影響に衆目が集まるところですが、産業への影響も大きく、コスト高により業績が悪化する可能性も排除できません。そのような中で政府は、2023年1月分から電気料金の「激変緩和措置」という一種の補助策を始めました。

そもそも電気代はどのくらい上昇したのでしょう、また今回の政府の補助とは何なのか、簡単に説明します。

電気料金は、低圧契約の場合、最近で最も低かった2021年2月と2022年10月を比較すると約151%も高騰しています。同期間の高圧契約の電気料金は200%以上の値上がりでした。今年1月の時点で電気料金の平均単価は2022年10月までの情報しか公開されていなかったのですが、直近の期間にも上昇していたと見込まれます。そこで11月以降については、燃料調整額の状況をみることにします。実は、この燃料調整額こそが上記の政府の補助が適用される対象です。

契約内容により一部異なりますが、一般的なご家庭の電気料金は、基本料金と電力量料金に燃料調整額が加算又は減算され、再エネ賦課金を加えた額になります。

一般的なご家庭の電気料金 = 基本料金 + 電力量料金 ± 燃料調整額 + 再エネ賦課金

この燃料調整額ですが、その仕組みは少しややこしく、電力会社や契約内容により異なる場合があるのでここで詳細は割愛しますが、多くのご家庭で利用されている自由料金プラン(電力自由化以後に作られた料金プラン)では、2022年中にその上限を撤廃する動きが新電力や一部大手電力で相次ぎました。東京電力エナジーパートナーの場合(低圧)、燃料調整額は2021年2月の時点で-5.17円/kWhだったのが2022年12月には+11.92円/kWhと大幅に上昇しました(自由料金プランの場合、規制料金プランは+5.13円/kWh)。

なお規制料金プラン(電力自由化前に作られた料金プラン)には燃料調整額の上限が設定されていますが、大手電力各社はこの規制料金プランの今年4月以降(東京電力EPは6月1日から)の値上げを申請しており、さらに高くなることが見込まれています。

そこで政府がこの燃料調整額を対象に補助することになり、低圧契約の場合は1月使用分以降、実質的に7円/kWhの値下げになります。補助内容をまとめると以下になります。

  低圧:「7円/kWh分」を燃料調整額から値引き

  高圧:「3.5円/kWh分」を燃料調整額から値引き

  特別高圧:補助対象外

なお2022年5月分から2023年4月分までの再エネ賦課金は3.45円/kWhであり、これも毎年上昇を続けています。

電気料金の価格高騰の要因は資源価格の高騰、電力供給力不足、再エネ賦課金の値上がりなど様々です。電気料金には、基本料金や電力量料金、燃料調整額、再エネ賦課金などを含みますが、そのうち燃料調整額から7円/kWh分を値引く(低圧)という今回の政府の補助、効果はいかほどなのでしょう。

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