原発の活用で電気代は下がらない?

今年2月に当ブログで、原発を再稼働していた関西電力と九州電力の電気代が最も安くなっていたことをお伝えしました。今回は、原発を活用しても電気代が下がることは考えにくくなってきたとする話題をご紹介します。

2024年8月21日の東京新聞Web版に、アメリカの最新試算結果を交え、原発コストは太陽光発電などの何倍なのかを紹介する記事があり、その中で、アメリカでは2023年の発電所新設時の電源別コスト「均等化発電原価(以下、LCOE)」を大手民間投資会社が発表し、原発のコストの平均値は陸上風力や太陽光発電の平均の3倍以上になっているとのことでした。

日本政府は2011年の福島第1原発の事故後、原発への依存度を可能な限り低減する方針を掲げてきましたが、岸田政権発足以降、2023年のGX基本方針などで「原発を最大限活用」と転換した経緯があります。エネルギー基本計画の第7次改定が今年度中に行われる見込みで、目下議論が進められています。これに合わせて年内にも最新のLCOEを発表する見通しです。ここで、目標とするエネルギー・ミックス等と同じく、前回2021年の6次計画の時と比べて原発の新設コストが上がるのか、なども注目したいと思います。原発を再稼働するにしても、再エネ発電設備の新設と同程度になるのではないかという見方もあります。近年の原発建設費用は、事故対策強化などを含め高額になっています。

原発にまつわるコスト高がいわれる中で、電気代が下がり国民の負担軽減になるとは考えにくく、安いから活用するという理由はもはや通じなくなってきたように思います。一方の再エネについても、課題は山積しています。私たちの生活に欠かせない電気代は今後、どうなっていくのでしょう。

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