PPA(Power Purchase Agreement、電力購入契約)の知識②

<PPAの割合が増えてきた理由>

今回は、FITやFIPに代わってなぜ現在、PPAという売電事業が増えてきているのかについて述べたいと思います。

まず、一つ目の理由は電力価格です。FITの買取価格は40円/KWhから現在は8.5円/KWh以下になってきています。一方、資源価格の上昇やウクライナ問題が原因で化石燃料価格が高騰し、大手電力会社の電力価格も大幅に上昇しています。これまで再エネPPAはその構造上のコストの大きさから、電力価格において競争力を持っていませんでした。しかし、前述の電力価格の上昇と再エネ施設の施工単価の減少により、再エネPPAによる電力価格が優位性を持つようになってきています。

二つ目は、需要家の再エネに対する意識が向上していることです。特に大手事業者は脱炭素の観点から、自社におけるエネルギー使用割合において再エネの比率を高めたいという意識が年々大きくなっています。さらに、再エネの中でも従来のFITで構成された発電所からの電力よりも、今後新たにつくられる再エネ発電所からの生再エネを使用することに重きを置いています。これを「追加性のある再エネ」と言って、新たに世の中の再エネを増やすことに貢献しているという意味で、その需要度は高くなっています。まさにこれこそ、PPAでいう生の再エネ電力ということになっているのです。

三つ目は、発電事業者にとっては何よりもPPAの契約により、FITと同様に一定期間固定で電力を売却できることです。逆に言えば、需要家は追加性のある再エネ電力を長期にわたって固定価格で購入でき、化石燃料価格の高騰次第で価格が上下する不安定さを回避できるというメリットがあります。

これ以外にもPPAの割合が増えてきている理由は考えられますが、ここでは以上にしたいと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
太陽光投資ファンドに関するお問い合わせはこちら

関連記事

ページ上部へ戻る