<発電事業者から見たPPAのリスクについて>
PPAの優位性については、これまでの説明で述べてきたように、PPA契約の柔軟性や長期安定的な固定価格での売電収入の獲得という面で、発電事業者側にとってのメリットは大きいと思います。また、需要家様にとっても同様に、化石燃料価格の変動による価格高騰を回避することが可能であり、非化石証書を得られるという意味でも大きな意義があります。
ただ、発電事業者の立場からすると、一点注目すべき部分があります。それは需要家様の信頼性です。PPA契約はこれまで述べてきたように民間契約です。つまり、民間企業との間で買取価格と買取期間を定めることになっているため、例えば15年から20年もの間の電力買取を前提に発電所に投資するわけです。つまり、需要家様が10年目で破綻したということになれば、それ以降の買取は無くなってしまうことになり、投資回収ができなくなる可能性が出てきます。
それを回避するために、他の需要家様に代替してもらうことを模索する行動をとることになると思いますが、基本的には一旦投資回収の道が途絶えます。そうならないようにどのような対策を取るべきでしょうか。期間中に破綻するような心配のある企業とは契約をしないということはとても大事な要素になってきます。
そういう意味で、PPA契約をどのような需要家様と締結するかは、事業リスクを考える上で非常に重要です。FITやFIPは基本的に国が定めた制度なので、このような心配はなかったのですが、PPAではこのようなリスクも考慮に入れて投資する必要があります。逆の言い方をすれば20年間企業破綻する可能性が低ければ低いほどFITのモデルに近づくという事です。
(当社のPPAでの需要家様との契約基準は上記を満たすような企業様に限定します。)