今月(2017年8月)は経験したことのない日照不足でした。
発電所のある茨城県鉾田市の日照時間は平年の6割程度、
日射量データのある茨城県つくばでの全天日射量は平年の7割程度になりそうです。
1号から10号までの発電量を見ていると概ね想定の90%程度になっています。
想定発電量を算出しているのはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の
発表している過去20年間の日射量データを用いています。
上で述べている平年とは気象庁データの過去25年から30年の平均値を使っています。
非常にざっくりとした話なのですが、
これだけ天気が悪くても想定の90%程度まで発電し、
1年間の発電量を見ると概ね想定の110%~115%になっています。
そうなると
「想定が低いのではないか?」
という疑問が出てきます。
しかしながら想定発電量はNEDOデータに基づきはじき出していますので、
低めに想定しているということはありません。
では、近年日射量が伸びている?
そう考えざるを得ないので少しデータを整理していました。
まず気象庁発表の1971年からのデータです。
(つくばでの日射量データがあるのが1971年以降でした。)
これだけ長い期間のグラフだと
大まかな傾向がつかみづらいですね。
そこで1971年から10年ずつの平均値を出してみました。
これで傾向がよく見えます。
紫の線が全天日射量でこのデータイコール発電量となります。
年が進むにつれ高くなっているのがはっきりと見て取れます。
気温、降水量も上昇傾向です。
温暖化が進んでいるでは? と考えてしまうデータです。
このデータからみると、過去20年間の平均値を用いているNEDOのデータから
発電量を想定している限り、長い期間でみると想定を下回るということはなさそうです。
もちろん、今月のように短い期間では想定を下回ることはありますが・・・・。
続いて年ごとにどれくらいのブレ幅があるのかも確認してみました。
最大値が2013年、これはちょうど鹿島灘1号が発電を開始した年で、
鹿島灘1号の初年度発電量は想定を30%以上上回りました。
一番悪かった年は1998年、それでも45年の平均値からみると10%強のマイナスです。
この程度のデータであまり結論付けてもいけないとは思いますが、
日射量(=発電量)は近年増加傾向にあり、
1年を通してみた場合、下振れしても10%程度で収まる。
このように考えることができるのではないかと思います。
太陽光発電事業が安定収入を見込めると言われる所以だと思います。