2015年2月以降の設備認定に関して、
申請時に太陽光パネルの型番を登録し、
パネルを変更した場合、変更したときの価格が適用される=買取価格同じか下がる
というルール変更がされました。
これはすでに認定を取っているものに関しても適用され、
私たちも今後の案件に関してすべてパネルを確定しました。
(ただしこれにも抜け穴があって、あとで聞いたところ
複数パネルの登録が可能であったとのこと。)
この変更の目的は概ね下記のようなものでしょうか?
・全く計画も固まっていないが権利確保のためとりあえず申請をしておく
といったものの排除。
・パネルを変更すると買取価格が同じか下がることになるので、
国民負担を軽減する方向になる。
・高い買取価格の権利を取得し、実際建設する時は安いパネルに変更することで
利回りの向上を図るというズルをできなくする。
こうやって書くとなるほど合理的な変更なのではと思われるかもしれませんが、
実際に起こっていることは違います。
多くの場合、申請時に1つのパネルしか登録していませんので、
取得した権利(買取価格)で発電を開始するには、
登録したパネルを使うしかありません。
これはパネルメーカーからみれば、
将来の需要が約束されている。=仮発注を受けている状態です。
そうなると何が起きるかは明白です。
「パネルメーカーが強気の価格設定をしはじめた。」 です。
これにより、発電事業者の設備取得価格は上がる方に動きます。
マクロ的に見ると設備価格が下がらないということは・・・・
・電気の買取価格が下がらない。
買取価格は設備取得費などから一定の利回りとなるよう設定する
というのが建前なので買取価格が下がらず、国民負担が増えます。
しかしながら、太陽光発電は増えすぎたという理にかなっていない論理で、
買取価格は大幅に下げられています。
そうすると何が起きるか・・・・・・
・発電事業者が撤退し、再エネの増加スピードが落ちる
現にこの春から経産省に対する設備認定申請数は激減しているようです。
経産省はなぜこのような愚策しか打てないのか?
なぜ制度開始前から系統の容量まで勘案し、
運転開始時に買取価格を決定するといった制度設計ができなかったのか?
日本の再エネが民間ベースで盛り上がらないのは
制度の不備、運用の不備が多いのではないかと感じます。